お姫様抱っこしてください【マギ】 (ページ17)

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第17夜ページ17

「相変わらずジャーファルさんとA、発展しないわよねぇ」

「両片想いなんだろ？｣
「そ。お互いよそでは好き好き言ってんのにね」

「普段めちゃめちゃ鋭いのに、こういうとこホント鈍感だよなァ、あの二人」
「あと素直になれないのもあるわね」

(あなた達もね)
(人のこと言えないのでは？)

　遠目からジャーファルとAを眺めるシャルルカンとヤムライハにピスティ、スパルトス両名は心の中でそっと突っ込んでいた。

まあかくして、盛大に盛りあがった謝肉宴は幕を閉じたのであった。

✼ ✼ ✼

「A、起きてますか？」

　朝。ドアを叩いても相も変わらず我が国の医官は起きてこない。彼女は寝起きが大層悪いのだ。幼子のようにぐずる。

だが、今日は「はーい」だとか「まだあと3時間…」とか何かしらの返事が返ってこない。昨日珍しく酒をかなり飲んだから？なんてジャーファルは思いながら少しドキドキする鼓動を抑え、扉を開けた。

「A…？」

　部屋を見渡してもAの姿が見当たらな……いや、何か小さなものが布団の中にいる。動物でも飼いだしたのだろうか？

「まったくどこに行ったんだ…って、A！？｣

「んんっ…うるさい」

「ちょっとあんた、うるさいとか言ってる場合じゃないでしょ！！身体っっ───どうしたんですかその身体！？」

「んあ？」

　近くまで覗いてみれば、そこには身体が小さくなったA (と思われる人物) がいた。いや、どう考えてもAしかいないだろう。

それとも、、隠し子…？？

「ジャーファルさんどうしたんですか、朝早くからそんな大声出して…」

「ちょっ、ま、鏡を見てみなさい！！」

「んん？」

　鏡に映るは10歳前後の小さな女の子……えぇ？ Aは素っ頓狂な変な声を上げた。

「やっだ、若返ってる！」

「若返るどころか子供だよ！」

「見た目は子供、中身も子供、つまり子供の名医官Aちゃんになっちゃったわけですね」

「そんな呑気に言ってる場合か！」

　私は直ぐに医官であるAをっ…！そこまで言って気付く。その肝心の医官であるAがこうなっているのだ。年中常春脳内お花畑の彼女ではあるが、腕は確かなのだ。それなのに。。

「あはは、ジャーファルさん落ち着いて。まずは王に報告しましょ」

「え、ええ」

彼女の冷静さに、ジャーファルは少し乱れた呼吸を整えた。