そのウツボ、誘惑の咬魚？2nd

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Aside



試行錯誤しても、結局未来は変わらなかった。


監督生達を牽制しても、邪魔をしても、何も変わらなかった。



未来を変える勇気なんて最初から無かった、けど変えたかった…それでも守りたかった。



アズールの積み重ねてきたモノ、大切な宝物を守りたかった。





フロイドと二人で走って辿り着いた先は、俺にとって地獄の様な光景だった。



レオナとラギーの足元には砂が、涙を流して叫び散らすアズールの周りには他寮生が倒れている。



もう逃げられない、戦いが始まる。




ア｢A…フロイド…あぁ、やっと戻ってきてくれたんですね…！そこの馬鹿共のせいで、僕の契約書が全て無くなってしまったんです…。

…だから、貴方達の力も僕に下さい…ねぇ、僕に下さいよぉっ！｣


｢待てアズール！お前のユニーク魔法は強力過ぎる故に契約書無しじゃ制御出来ない…そんな事をすればどうなるのか、自分が一番よく分かってるだろうっ！｣



言葉が荒くなる、キャラなんて保っていられない…フロイド以外の周りのヤツが目を見開いて俺を見ようが関係ない…！


【…リョウ、止めましょう…アズールを】


言われなくとも止めるさ…大丈夫だよ、"ジェイド"


…まさか、此処で俺の本当の名前を呼ばれると思わなかった。




｢だって、Aとフロイドが書いてくれたあの契約書も！僕の部屋から奪われてっ…無くなっちゃったんですよ…全部っ…アハハ……アハハハッ！このままじゃ昔の僕に戻ってしまう！｣



…俺達の契約書も…？あの時交わした、三人の…



《これで僕は…お前の番ですね…嬉しいっ…やっと、Aと…！》




フ｢…今のアズールって、昔のアズールよりずっとダサいよ…三人で書いた契約書だって、また書くし…無くたってAもオレも離れる訳ねぇじゃん｣



｢煩い…煩いっ…あの時の想いは、あの時だけの大切なモノなんだっ！もう二度と、あの時には戻れない…。

…どうせ僕はAとフロイドが居なきゃ…一人じゃ何も出来ないグズでノロマなタコ野郎ですよ…だから、もっとマシな僕になる為に皆の力を奪ってやるんですっ！｣



そう叫ぶと、アズールの体から墨の様に黒くドロドロした液体が染み出てくる。



｢何アレ…アズールの体から黒いドロドロが出てきてる…墨…、じゃねーよな？｣

｢ユニーク魔法の使い過ぎ…ブロッドが蓄積許容量を超えた。…オーバーブロットする…監督生達、自分がした事の落とし前は付けてもらうぞ｣

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