恋空～切ナイ恋物語～ (ページ8)

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そんな苦痛な日が何日も続き、ようやく高校最初の夏休みが来た。
外では蝉が鳴いてる、じめじめとしたある日の午前…。

中学からの親友である、圭人と俺の部屋で遊んでいた。

夏休みに入ってから2人は毎日遊んでる。
圭人はどんな悩みでも相談できる大切な友達の一人。
中学の時はよく2人で悪い事をしたりもした、いわゆる“悪友”ってやつ。

この日もくだらない話をしながら盛り上がっていたその時…

♪プルルルルル♪

部屋に鳴り響く着信音で、2人の会話が途切れた。

「ごめん、圭人！電話でていー？」

「いいよー」

画面をみると、着信の相手は知らない番号からだ。
しかもPHSからじゃなくて家の電話から。

「でないの？」

不思議そうな顔をしながらPHSをのぞきこむ圭人。

「…やめとく。知らない番号とか怖いし。」

そう答えて電話を切ろうとしたその時、圭人は俺の手からPHSを強引に奪いとり電話にでた。

『もしもーし？俺、山ちゃんの友達です！はい、あ、山ちゃんですか？今かわりまーす！』

「高校の友達だって。変な人じゃなかったよ！」

圭人はこっちの会話が聞こえないように受話器を押さえながら小声でささやき、俺にPHSを渡す。

…仕方ない、こうなったら電話に出るしかない。

『…もしもし？』

『もっし～俺！伊野ちゃんだよーん♪山田、俺の事避けるしな～ひどいよ！伊野ちゃん泣いちゃう！」

げっっ！このうざいくらいのテンションの高さは…
伊野ちゃんだ。