居候は涙目のクランケ ページ4
『ですからね先生!私は可哀想な人間なんです!あれです、あれ、涙目のクランケです!』
「それは私への侮辱ととらえるよ」
『待って先生。違うの。違う。別に先生のりりっくってやつ侮辱したんじゃなくて、そのね、えーーっと』
「そんな悪いクランケには罰を与えよう」
『えっ?…ああああああっ!!!先生私の食べたー!!!!』
一体どういう状況かと言うと、現在朝食中である。
そして、Aのホットケーキを一口神宮寺が食べた。そして絶叫している。
宣言通りホットケーキを作った神宮寺は、食べ始めにAにこんな質問を投げ掛けたのだ。
──……「君はいつになったら働くんだい?」
と。
『え?そりゃ就職できたらです。いや〜、久々にその質問受けましたね』
「君いつまで私の家にいるんだい?」
『新しく家を借りれたらです。というか本心言うと居心地良いんでずっとここにいたいです』
「傍迷惑な…」
『先生に彼女できたら出てきますよ。………ま、先生には無理か!あは!』
「え?ホットケーキにマヨネーズをかけてほしいと?」
『ねぇ先生さぁ、毎回マヨネーズ出すのやめようよ…』
Aはマヨネーズが大の苦手。それを利用した脅しを神宮寺はよくする。
そしてそれがAには絶大な効果を誇るのであった。
神宮寺はホットケーキを一切れ口に運び、そして言った。
「君こそ彼氏ができたらどうするんだい?」
『私に彼氏ができるなんて思ってます?』
「いや。」
『それはそれで傷つきますね。…うーん、まず出会いというものがないんで分かりません。ついでに言うと、私恋愛に興味ないんで』
「なるほど」
『……多分ね、先生、あなたねぇー』
「は?」
『私がいなくなったら寂しいよ!』
「…は?」
Aがウインクと共に発した言葉に、神宮寺が反応する。神宮寺らしからぬ気の抜けた声に、Aはプッと笑った。
当の神宮寺は「何言ってるんだコイツ」という様な目でAを見ている。
「…私の病院の精神科に行くかい?」
『行ったら「私は神宮寺寂雷の猫です!」って叫びますね!』
「殺されたいのかな?」
『いえ、私はこれからもこの世を生きたいのにも関わらず、職を失い途方にくれる可哀想な人間です…』
「…何て?」
『そして先生はそんな可哀想な私を救った神様です!』
「…何て?」
『だーかーらー!』
そして冒頭に戻るのだ。
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ルルア(プロフ) - とてもおもしろいです! (2020年6月24日 20時) (レス) id: 014ef85129 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MIDARE. | 作成日時:2020年5月7日 2時