【ヒプマイ】寂雷と猫の日常【神宮寺寂雷】 (ページ3)

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居候の平和な朝ページ3

パチリ。

目を開けると、明るい天井。朝だ。

『おー、午前六時。今日は早起きだ』

ベッドの上でぐ～っと背伸びをして、一息つく。

Aは今日は珍しい夢を見た。過去の夢だ。

Aは伊弉冉が神宮寺寂雷に電話を掛け、宿泊の許可をもらってから、ずっとこの家に泊まっている。

もう、泊まっているというより、住んでいるといった方が正しい。

最初の方は神宮寺も「いつ家を決めるんだい？」と言っていたのだが、今は言う気も失せ、居候の様に扱っている。

いつの間にか家にはAの物も増えた。

『今日は先生よりも早起きかも！ひっひっひ、起こしに行こー！』

楽しそうにはしゃぎながらベッドから飛び降りる彼女は、三十路だ。立派な成人女性だ。

この家に初めて泊まったのはおよそ一年前で、その当時からこんな性格。神宮寺のストレスが溜まる溜まる。

おまけにこの女、未だに無職。就職活動は全敗し、もう無職を受け入れている。

そしてもういっちょおまけにこの女、家事ができない。

「何か家事はできるか」と神宮寺に訊かれた際に過去の悲惨な家事武勇伝を言うと、大きなため息と共に「じゃあ何もするな」と言われた。

よって、彼女は今絶賛【ニート】である。

『先生起きてるかなぁー？いひひひひ』

自室から出て神宮寺の寝室の前に立つA。下品…というか変な笑い方をして、ドアノブに手をかけた。

ドアを開けようとした瞬間。

「A、おはよう」

『わぷっ』

ドアが開き、バランスを崩したAが神宮寺の胸にダイブ。

どうやら全て分かっていたらしい神宮寺はハハハと笑った。

「早起きだね」

『奇跡的に』

「今日は時間もあるしホットケーキを作ろうか」

『えっ先生今日休み？』

「午後から」

『おお！』

　