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その夜、喉の乾きを覚えた夜空は自室から出て食堂へ向かった。
何故だか外に出るのが、酷く久しぶりなように感じた。
食堂へ入り、水を飲むべく蛇口をひねる。
コップに水が溜まるのをただただボーッと眺める夜空。
その瞳には何も映っていない。
今日のミニゲームの時と同じ、虚無の瞳だ。
思い出す嫌な記憶。
崩壊した部室に冷たく降り注ぐ雨。
最愛の2人の友人は悲しそうな表情で自分を見ていた。
夜「なんで何も言ってくれなかったの…？」
そんな疑問は、コップから溢れる水の音に掻き消された…はずだった。
突然、水の音が止まる。
夜空の脇から伸びてきた手が、蛇口を捻って止めたからだ。
夜「…明王？」
止めた本人の名前を呼んでみる。
不「……勿体ねぇだろ」
そんな無愛想な返事が返ってきた。
お互い何も言わない沈黙の時間が流れる。
ただお互いが水を飲み、喉を鳴らす音だけが響いた。
不「……嫌われたくない…って、あーいうことだったんだな…」
少し沈黙を気まずく思いながらも、不動は口を開いた。
答え合わせをしなければならない…と、そう思ったからだ。
夜「聞いたんだね。2人から」
少し気まずそうな表情を浮かべ、不動の顔を覗き込む。
不動は反射的に目を逸らした。
夜「あの時ね…、私…。責めて欲しかったんだと思う」
突然始まった話題に、逸らしていた目を夜空に戻す不動。
不「…お前のせいだ〜ってか？」
夜「そう…。それもしないような優しい人たちを、巻き込んで傷つけちゃったんだなぁ…って…」
ぎゅっと拳を握りしめる夜空を見て、不動は深いため息をついた。
不「…ほんと、どうしようもねぇ奴だな…」
夜「私も…そう思う…」
静かに賛同する夜空の頭を、不動はコツっと優しくこずいた。
その行動に、夜空の表情に笑みが戻る。
夜「私…明王に逢えてよかった…」
不「いきなりなんだよ…」
夜「……ありがとう」
そう言って微笑む夜空に、不動も無自覚に笑みを浮かべる。
不「別に…何もしてねぇよ…」
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イツキ(プロフ) - 雫(ｼｽﾞｸ)さん» ありがとうございます！！はい！読んでみようと思います！！ (2019年6月9日 11時) (
レス) id: d483986195 (このIDを非表示/違反報告)
雫(ｼｽﾞｸ) - とても面白いですね！ 作者さんのペースで更新を頑張ってください。 オリオンの刻印が好きで２つの作品を書いてます。 もし、良かったら読みに来てくださいね？ (自分の事までコメントしてしまい、すみません。) (2019年6月9日 10時) (レス) id: effc3bbfee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イツキ | 作成日時：2019年6月9日 9時
