episode 6:従順であれ ページ8
大蛇は辺りを這いずりまわり、満足するとズルズルと私の影に戻ってきた。
「一掃完了。マスター、次の指示を」
「っ、うん。霊脈から少し離れよう」
"その必要はないみたいだ"
空中にモニターが浮かぶ。多少の乱れはあるがそこにはレオナルド・ダ・ヴィンチが映し出された。
"さっきのでかなり遠くのエネミーまで倒したみたいだよ。次のポイントまで少しそこで休むといい"
私たちはしばらくそこで休憩をとることにした。
「しかし先程は凄かったな!余も久々に度肝を抜かれたぞ!帰ったらそなたに褒美を与えよう!」
「お褒めにあずかり光栄です皇帝陛下」
「ほんと凄かったよオロチ!少し怖かったけど、かっこよかった!」
「ありがとうございますマスター。ですが…」
後に続けて私は言いかけたが途中で口を噤んだ。私が引っかかったのは、己が内に秘めたモノの力が生前より強大になっている事だ。
「オロチ?」
「…いえ、なんでもありません」
けどもその力で主の矛に、盾になれるのなら道具としては合格だろう。ならば特に問題視する必要はない。
主に従順であれ。それが私が人生の中で得たものだ。
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作者名:巳月 要 | 作成日時:2017年12月25日 22時