【FGO】人に成る (ページ9)

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episode 7：宝具ページ9

それから戦闘を重ね､メンバーに少し疲労が見られるようになった。

｢次で最後だ!もう少しだから皆頑張って!｣

マスターが士気を上げようと声をあげる。疲労の色が晴れることは無かったが､一同はまた歩き始めた。

次の瞬間､3つの大きな影が私たちを取り囲んだ。

｢キメラ3体!?聞いてないぞマスター!｣

｢俺も聞いてないよ!｣

狼狽える私達との距離を敵はじりじりと詰めて行く。このまま撤退か。いや､狼狽えはしたが全員ここを突破する気でいる。

｢マルタとオロチの宝具なら…うん､行ける!頼んだ!｣

｢はい!愛を知らない哀しき竜___ここに。星のように!『愛知らぬ哀しき竜よ(タラスク)』!｣

巨大な竜が敵めがけて飛んでいく。地に着いた瞬間爆風が辺りを埋め尽くす。

砂煙を切り裂いてマスターを襲うキメラの爪を槍兵が槍で防いだ。

｢ありがとう槍ニキ。1体減ってる。オロチ!｣

｢はい。地獄を見せましょう｣

大地をつかむ足に力を込め､私は詠唱を始めた。

｢八の眼は汝を射抜き___八の牙は矛となりて､汝の心臓を貫く。そして我が身を鎖とし､汝を悪夢に繋ぎ止めよう。『夢幻八岐大蛇(ムゲンヤマタノオロチ)』｣

影の大蛇が敵を全て飲み込むとその体から棘のようなものが飛び出す。あれで対象を八つ裂きにする。

たとえ残ったとしても体内で見せられた悪夢に魘され結局死ぬ。私の力とはそういうものだ。

全てが終わり､残った戦利品を拾い集める。その中あの槍兵だけは､何故か私をまじまじと見ていた。