episode 2:気まずい ページ4
歓喜のあまり涙を流す新たな主を目の前に私はただ呆然と立っていた。
隣の少女に宥められたマスターは漸く平常に戻り、話し始めた。
「はじめましてオロチ。俺は藤丸立香。君のマスターだ。そしてこっちが俺と契約しているデミサーヴァントのマシュ。」
「はじめまして、マシュ・キリエライトです。宜しくお願いします」
「こちらこそ。さてマスター、敵はどこに?」
私が尋ねると2人は驚いた様にこちらを見た。
「えっと…ま、まだ召喚されたばっかりだから、まずはカルデアの案内とレベル上げだね。種火の残りは…」
「全部あのファラオに注ぎ込んでただろマスター。ったく、でかい声が聞えたから何事かと思って来てみりゃ…」
扉の方からの声がマスターの声を遮った。青髪に赤眼、真っ赤な槍を持った声の主は私に興味を示したか、こちらにすたすたと歩いてきた。
「槍ニキ!丁度よかった。俺達これから種火集めて来るから、その間オロチを案内してあげて」
そう言うとマスターはマシュを連れて部屋を出てしまった。
残された私と青い槍兵の間に沈黙が流れたが、向こうが耐えきれなくなったため挨拶から会話が始まった。
22人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:巳月 要 | 作成日時:2017年12月25日 22時