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「あなたが私を好きな気持ちが本物だとしても、私はあなたよりポケモンを優先します。だって私は誰よりも何よりもポケモンを愛してるから」
暑い日も寒い日も、少女が怪我をしたとき真っ先に心配してくれるのも、寂しい時辛い時、そばに居てくれたのはポケモンだった。
「あなたが入る余地なんてありません。」
1度深呼吸をして、キバナに近付く。
少女の手が伸びる。
頬に触れられた瞬間、息が止まった。
辛そうな、嬉しそうな、どう表現して良いか分からない凄絶な表情をする少女に圧倒される。
「あなたの気持ちは、嬉しい。嬉しいです。でも、私自身あなたのことをどう思ってるか自分でも分かってないんです。」
正直な少女の言葉は、キバナの心に真っ直ぐ突き刺さる。
「だからこれで終わりにしましょう。いつかこの気持ちの正体が分かったら、きっと、会いに行きます。」
これで綺麗に収まった。
誰が見ても明らかだ。キバナは振られた。
キバナは頭をぐしぐしと掻く。
「くっそ、捕まえられたと思ったのにな」
「…ポケモン捕まえるときも簡単に捕まえられたら楽しくないでしょう。」
話はこれで終わったと示すようにAは玄関の扉を開けた。
「…ったく、お前はすぐ逃げるから大変だな。捕まえられる気がしねえよ」
「追いかけてなんて頼んでないので諦めた方良いですよ」
背後で聞こえる悔しそうな声に少女は笑う。
少女がこの家に入れている時点でもうとっくに捕まってると言うのに。
だがそれを言ってやることは無い。
「まあ、この気持ちが何か分かっても会いに行くことはないけどね……」
「あ？」
「あっ、いえ、なんでもないです。」
うっかり心の声が出てしまったと口を塞ぐ。
「お前が来ないならオレ様から会いにくるが、それでも良いって事か？」
「その時にはまたお互い初対面ですね。」
せっかく良い雰囲気で別れを告げられる筈が、少女の一言でまたキバナは不機嫌になる。
(どうしろっていうの〜…)
ポケモンが拗ねた時は甘やかして甘やかして甘やかして宥めすかすが、人間相手の機嫌の直し方など知らない。
「…本気で言ってんのか？」
キバナの低い声が落ちた瞬間、少女は良からぬ気配を感じ取って転がるように外へ出る。
「さあ…？」
疑問形だったのは、どう答えてもキバナの神経を逆撫でする言葉しか浮かばなかったからだ。
そして曖昧な返事はどうやら悪手のようだった。
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影裏(プロフ) - レスありがとうございます！！！クチナシさんとの絡みも楽しみです！ (2022年6月13日 8時) (
レス) @page13 id: 54dee88f37 (このIDを非表示/違反報告)
影裏(プロフ) - めちゃおもしろい、、これからの展開が気になります！！更新頑張ってください！ (2022年6月12日 4時) (レス) @page13 id: 54dee88f37 (このIDを非表示/違反報告)
珀琥(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも応援してます (2022年4月24日 15時) (レス) @page2 id: 8db741d522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モンブラン | 作成日時：2022年4月23日 19時
