:63 ページ13
「私、アローラ地方で会ったことあるかも……」
と、呟き、自身のスマホロトムの写真を漁り始める。
少女はよく旅をするとは聞いていたが、ほんとに色んな地方に出向いているらしい。
「あまりにアローラ地方の事に詳しかったから現地の子だと思ってたんだけど…イッシュの方の子だったのね…あ、あったわ。」
「ん？」
そう言って見せてきたのは、長い長い首のナッシーに器用に登りながら笑ってるAと、その様子を心配な様子で見守ってるルリナの写真だった。
「この子ほんと面白くて、あのクチナシさんが世話焼いてたのよ！」
「まあ確かに…アローラニャースみたいな可愛さはあるな…」
「気まぐれというか、自由な子よね…クチナシさんがどこか行こうとしたら足に引っ付いて引きずられてくし、かと思えば1人でどこか行っちゃってクチナシさんが探したり…」
キバナはポケモン以外にも懐くのだという少女の情報に驚く。
「あなたの出る幕ないかもね〜あの子クチナシさんには異常に懐いてたから」
ルリナに痛い所をつつかれて、キバナは顔を顰める。
「……今度の休み、アローラ行くのもアリかもな。」
「あなたそんな険しい顔で詰め寄ったりしちゃダメよ。ただでさえ身長高いしガラ悪い顔してんだから」
ルリナの言葉にキバナはハッとし、表情を緩める。
「まあ、そもそもその子がアローラに行ってるかどうかは分からないけどね」
それは確かにそうだとキバナは頭を抱える。
いっそまたツアーでも企画してチケットを送り付けようかと考え始めるキバナにルリナは笑う。
「天下のキバナ様が一人の女の子に振り回されてるのなかなか面白いわね」
「あのなぁ…」
ため息を吐くキバナにルリナはニッと微笑む。
「…しょうがないわね。私からクチナシさんに色々話してみるわ。明日また会いましょう。」
「……良いのか？」
「ええ。私人生で1度恋のキューピットになりたいと思ってたから。まあ実らなくても、私に感謝してよね」
ルリナの楽しげな様子に、キバナは即座に気付く。
「他人事だからって楽しんでるな？」
「あら、分かった？キバナだから面白いってのもあるけどね。じゃあまた明日ね。」
ひらりと手を振り、キバナを振り返ることなく去っていくルリナを見送る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 164人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
影裏(プロフ) - レスありがとうございます！！！クチナシさんとの絡みも楽しみです！ (2022年6月13日 8時) (
レス) @page13 id: 54dee88f37 (このIDを非表示/違反報告)
影裏(プロフ) - めちゃおもしろい、、これからの展開が気になります！！更新頑張ってください！ (2022年6月12日 4時) (レス) @page13 id: 54dee88f37 (このIDを非表示/違反報告)
珀琥(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも応援してます (2022年4月24日 15時) (レス) @page2 id: 8db741d522 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：モンブラン | 作成日時：2022年4月23日 19時
