陣内家名物ケンカップル！【サマーウォーズ】

33の陣 ページ34

健二さんが翔太兄に連れて行かれて、居間が元の平和を取り戻した

私の目の前には、4歳上の実の兄。了兄の高校野球の準決勝を中継するテレビ

ちゃぶ台でおやきを頬張るお母さんや子供達が見守る中、ピッチャーの了兄が自信に満ちた笑みを浮かべていた

了兄の勇姿にお母さんも子供達も大興奮

でも、健二さんの事が気になる私はそんな気にもなれない

背中には佳主馬の重みと体温が伝わる

が、やはり佳主馬も健二さんの事が応えているのか、あれから一つも言葉を交わしていない

そうして何もする事なく、ボーッとしていると、

「佳主馬！A！」

呼ばれた方に顔を向けると、目に飛び込んできたのは、焦った表情をした、理一さん、なっちゃん、翔太兄

それと、心配をしてやまなかった健二さんの姿だった____________________

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理一さん達に頼まれ、納戸でラブマシーン騒動について調べる

佳主馬のパソコンで、ニュースサイトや掲示板を開く

隣にある私のパソコンには、情報収集のためログインしたOZ

さらに、一緒にひらいたウインドウで、久遠寺高校の物理部にいる佐久間さんが映る

『例のパスワードで管理センターに居座って、生活基盤のシステムを勝手にいじくり倒してるんだ

その他にも、力尽くで倒した利用者のアカウントを奪い回ってるみたいだし……

やりたい放題だよ』

「アカウントってなんだっけ？」

「OZでの身分証の事だよ」

佐久間さんの調べによると、奪ったアカウントの現実での権限がラブマシーンには扱えるらしい

「ボクのせいだ……

ボクが……暗号を解いたせいで、こんなことに……」

「や、やっぱり逮捕だ、この野郎！」

「やめて！翔太兄！」

健二さんに飛びかかろうとする翔太兄を、なっちゃんが慌てて引き止める

「____これは、あれだね。敵に攻め込まれているみたいじゃないか」

入り口から聞こえた声に、ふりかえると、いつからそこにいたのか、厳しい顔つきをした大おばあちゃんが立っていた

「下手したら、死人が出るかもしれないって事なんだね？

こういう時は、一人一人ができることをすればいいのさ。

慌てふためいてる情けない連中を、落ち着かせてやらなきゃね」

大おばあちゃん…

一体何をするつもりだろう______

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