陣内家名物ケンカップル！【サマーウォーズ】

32の陣 ページ33

あの後、佐久間さんから聞いた話によると、偽ケンジの正体はAI…人工知能だったらしい

ピッツバーグの研究所から逃げ出した開発中の実験用ハッキングAI


通称:ラブマシーン


佳主馬は、力任せにキーボードに拳を叩きつけたまま俯いている

私は何もすることができず、ただそんな佳主馬を見つけていることしかできない

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居間では一部の人を除いた朝食の時間だった

先ほどまで、賑やかという言葉ではおさまりきらないほど騒々しかった食卓が静まりかえる

皆の目線の先には例のニュース

少年Aとして紛れもない 小磯 健二 が取り上げられていた

もちろん一同呆然


さらにタイミングの悪いことに、そこへ健二がひょっこりと姿を現した

健「おはようございます……」

Aと、珍しく佳主馬も一緒だ

3人とも暗い顔をしているが、居間に流れる重苦しい雰囲気を感じて、眉をひそめる

そしてテレビを見るや、揃って顔を青くし、固まる

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親族会議という名の尋問が始まった


なっちゃんと健二さんは肩を並べ、畳の上で正座をしていた

その向かいに敷いた座布団には大おばあちゃんが座って、静かな顔で食後の茶をすすっている

そんな3人を囲む親戚一同

ただし、お母さんと子供達は、離れた場所に円卓を置き、テレビに夢中

そのテレビでは、了兄のインタビュー。
こんな時でもなかったら私も食いついていたと思う


私と佳主馬は、そんな居間の隅にいた

私も佳主馬はまだ気を落としたまま、隅っこに2人固まっていた


そうしていると話しも進み、親族会議は健二追放という結論に達したらしい

健二さんが翔太兄に手錠をかけられ、警察署に連れて行かれることに

反論したいが、こうなってしまうともう私1人が何を言っても無駄…


私はここでも何もすることができなかった…

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