陣内家名物ケンカップル！【サマーウォーズ】

21の陣 ページ22

健二 side

道に迷い、廊下をウロウロしていたら、ようやく明かりが漏れる部屋を発見し、近づく

居間までの行き方を教えてもらおうと、開けっ放しになった入り口から室内を覗き込む

そこは狭い納戸だった

部屋の真ん中には夕食のときに何処かへ行ったまま姿が見えなかったAちゃんとノートパソコンを操作している小柄な背中があった

男の子は線の細い身体は日に焼け、ランニングとハーフパンツというラフな格好をしている

二人ともヘッドホンをかけて熱心にパソコンをいじっているため、僕には気づかない

かと思いきや、Aちゃんの頭がピクリと持ち上がった

「あ、健二さん」

Aちゃんの声で気づいたのか男の子もこちらを振り向いて、ヘッドホンを片耳だけ外す

長い前髪の隙間から、無愛想な顔で健二さんを睨む
「……何か用？」

「えっと……道？廊下？に迷っちゃって」

「トイレなら、戻って右」

そっけなく言い、またパソコンに向き直る少年

細い肩越しに見えたパソコンがめんに、OZマーシャルアーツチャンピオンシップの操作パネルが見えた

「居間まで案内しようか？」

「あ、うん。じゃあお願…」

すると男の子が勢いよく振り向いて、僕をものすごい顔で睨んでくる

こ、怖い…

Aちゃんは僕の方を向いているので気付いてない

「や、やっぱりいいよ。大丈夫」

「？ そう？ならいいけど」

Aちゃんは？をうかべたまま

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