【薄桜鬼】 風ノ蕾

雪吹雪 ページ5

しつこい奴だな。
此処までついてくるなんて…。
不逞浪士の割に、体力はあるみたいだな。
使えるようで使えない雑魚だ。

それにしても、何故私を狙う？
私が、何をしたというんだ。
喧嘩を売っているのか？
私は、近くの物陰に隠れる。
頼むから、早く行ってくれ。

『チッ。足が速い小僧だな。』
『まだ、遠くに行っていないはずだ。』

男達は二手に別れて、私を探す。
本当に、愚かだ。
それで、見つかったら苦労しねぇよ。

すると、壷の近くでガクガクと震えている少年…嫌、少女がいた…。
私は、少女に近づく。

「おい、大丈夫か？」
？「あ、あの…。」

震えているのか言葉が上手く出ていない。

「大丈夫だ。安心しろ。俺は、敵じゃない。」

少女は、安心したのか震えが少なくなる。
少しは、落ち着いたみたいだ。
安心したのだが、更に奇妙なことが起きる。

『血ぃー血をくれぇー。』

それは、人とは呼べない者が口にするような言葉だった。

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