【黒子のバスケ】未来へのキセキ Ⅴ (ページ7)

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第207Q 決戦直前ページ7

「知らね、アイツが勝手に怪我しただけだろ？」

挑発するようにそう述べる花宮

「テメェ…！」

「実物は一段とクソだな。」

そんな日向の背後からの声。その主は火神と黒子、A

「あなたがどんな手を使ってこようが負けません。」

「潰せるもんなら潰してみやがれ！」

「おーおー。威勢がいいな、知ってるぜ噂の1年コンビ。せいぜい気をつけろよ、何も無いといいなぁ…。」

「ちょっと、花宮。いつまで…」

そこに現れたのは短く整えられた黒のショートボブが印象的な少女。

「っせーな、すぐ戻るよ」

その言葉を最後にベンチに戻る2人

そして日向たちも戻っていく中、A1人が足を動かせずにいた。

「A？」

いつもと違う、ただならぬ表情。
おそらく火神の声も聞こえてなさそうだ。

「…枝川前乃(えだがわまえの)」

小さくその名前を呟いた。

その直後、アップ終了のブザーが鳴り
膝にテーピングを巻こうとする木吉

「木吉先輩！！」

「テーピングならやりますよ！」

「てか、やらせてください！！」

そこに駆け込んできたのは福田、河原、降旗

「あ…あぁ？」

「オレ達は何も出来ないけどせめて……そんで、絶対勝ってください！！」

「んんっ！？日向…！まさか話したのか！？」

降旗たちの言動に日向の顔を見る木吉

「別に隠すことでもないだろ。」

一生懸命テーピングをまいたが…グルグル巻の失敗に終わり…

「できてないじゃない！！」

3人の頭をシバき、リコが慣れた手つきで巻き直す。

「はい、出来たわ！…けど無茶はだめよ。
危ないと思ったらすぐ代えるからね！！」

「あぁ、ありがとな。」

立ち上がり、テーピングを巻こうとした降旗たちにもそう伝える。

「よぉし…絶対勝つぞ！！誠凛ファイ…」

「「オォッ！！！！」」

誠凛ベンチの隣の霧崎第一ベンチでは…

「ウザすぎて目眩がするんですけど。」

そう言いフーセンガムを膨らます2年原一哉

「全く不憫だな、やる気を出せば出すほどより残酷な結末になるだけなのに。」

そう言うのは同じく古橋康次郎

「真面目とか別にどーでもいいわ。」

バッシュの靴紐を締めながらそう呟くは霧崎第一の紅一点枝川前乃

「どんなに一生懸命でも圧倒的な天才の前には天才も凡才も等しい、正直者は馬鹿を見るのよ。」

髪と同じ黒い瞳には闇しか映っていなかった。