【黒子のバスケ】未来へのキセキ Ⅴ (ページ50)

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第250Q 大嫌いページ50

「今の身のこなしに免じて今回だけは許すよ。

ただし次はない、僕が帰れと言ったら帰れ。」

ハサミを自身の髪に通し、切り進める。

「この世は勝利が全てだ。
勝者は全てが肯定され敗者は全て否定される。

僕は今まであらゆる事で負けたことがないし、この先もない。

すべてに勝つ僕は全て正しい。

僕に逆らう奴は親でも殺す。」

何人たりとも反論を許さない赤司の雰囲気には火神までもが飲まれる。

その場を後にしようとする赤司を止めたのは緑間だった。

「待て赤司。今回の集合の理由は何なのだよ。」

「本当は確認するつもりだったけどみんなの顔を見て必要ないとわかった。

全員あの時の違いは忘れていないようだから。」

赤司のその言葉に黒子を除いた“キセキの世代”たちの顔つきが変わる。

「ならばいい、次は戦う時に会おう。

じゃあ僕はそろそろ行くよ、今日のところは挨拶だけだ。」

「はぁ！？ふざけんなよ赤司。

それだけのためにわざわざ呼んだのか！？」

「…落ち着いてください青峰君。」

赤司が最後の階段を上がり切ろうとした時、口を開いたのはA

「じゃあ、私から1つ。

みんなに伝えなきゃいけないことを。」

それを聞いた瞬間、黒子は何も言い出すか直感する。

＿＿＿＿いつからだっただろうもうみんなが…遠い。

＿＿＿＿近いのはずなのに遠い存在だ。

「ずっと、待たせてごめんなさい。」

その言葉に全員、以前の告白の答えだとわかる。

震えそうになる声を押し殺し、必死に虚勢を張る。

自分の本当の気持ちをちゃんと伝えるために。
逃げてしまわないように。

黒子に伝えたとおり答えは『NO』だ。

だけど、ただの『NO』じゃない。

「…私は今のみんなが大嫌いだ。だから付き合うことは出来ない。」

簡潔に、真っ直ぐに。

ただそれだけを意識した。

自分が聞いた答えと違う黒子は戸惑いの色を見せ、その他の“キセキの世代”たちはNOという返事を予想していたが

まさか『大嫌い』と言われるとは思っておらず驚いていた。

「……これが私の答えだよ。」

凛と迷いのないAの答えに
誰もその理由を問うことは出来なかった。