【黒子のバスケ】未来へのキセキ Ⅴ (ページ28)

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第228Q 御見舞にページ28

ウインターカップ出場が決まった翌日。

部室では黒子から告げられた話に声を上げるリコ

「Aちゃん入院！？」

昨晩黄瀬から黒子へAが入院したと連絡が入った。

「元々の古傷が昨日の試合で開いたみたいです。」

「大丈夫なのかよ…」

「生死に関わることではないのでそんな深刻な顔しないでください。」

黒子と火神がその話をする間少し考えるリコ

「よし、今日の部活はOFFにするわ。
そして、Aちゃんの御見舞行くわよ！」

昨日の試合の疲労回復のためにも今日はOFFに決まり、全員で病院に向かうこととなった。

その頃、個人病室のAは…

「ありがとう真太郎、高尾君。」

「どうせ、暇なのだろう。」

指にテーピングの巻かれた手から受け取る新しいバスケットボール。

「まさかAちゃんが“キセキの世代”の1人だったとわね～。」

病室には高尾と緑間が来ていた。

「傷の具合はどうだったのだよ。」

「傷口が開いたのと、直接傷の部分に肘が当たったことによる打撲みたいなものだって。

傷が塞がればまた出来るよ。」

「ならいいのだが。」

安堵の表情を浮かべる緑間。

「そーだ、Aちゃん。オレのことも和成でいいよ？」

「じゃあ、お言葉に甘えてそう呼ばせてもらうね。」

そんな会話をしている時、Aのケータイが鳴る。
差出人を確認するため画面に目を移せば『黒子テツヤ』の名前。

「テツヤたちが来てくれるみたい。」

「じゃあ、オレ達は帰るのだよ。」

「…そっか。」

黒子たちと顔を合わせたくないのだろう、
それをすぐに直感したAは止めることはしなかった。

「じゃーね、Aちゃん。お大事に！」

大きく手を振りながら病室を後にする高尾、
Aも手を振り返せば緑間も小さく手を振り返した。

「相変わらずだなぁ～。」

受け取ったバスケットボールを抱きしめながら目を細めた。

緑間たちが病院を後にしてから数分後、扉をノックする音が響く。

「どうぞー！」

開いた扉から現れたのは最もよく知った人物達。

「思ってたより元気そうですね。」

「お陰様で。」

誠凛メンバー達であった。

「わざわざありがとうございます。」

「いいのよ、怪我のことも詳しく聞きたかったし」

そう言いながら渡されたのはコンビニの袋。
御見舞の品だろう、中身はお菓子やジュースだった。