【黒子のバスケ】未来へのキセキ Ⅴ (ページ22)

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第222Q 私と彼女だけが知るページ22

廊下を歩いていた私、橙野 Aの視界に捉えた影

気づいた頃には目の前でガラスが割れる音が響き渡り
その破片は太陽光を反射してキラキラと輝いていた。

次の瞬間には身体の至る所に走る激痛

右腕を見れば大小様々な破片が二の腕で紅に染まりながら光っている。

もちろんそれは腕だけではなく、真っ白な帝光の制服に走る赤い線と床に描かれる斑点

視界が霞んで行く中ガラスが割れた原因が硬式野球のボールであることを確認しそれが投げられた方向を見れば

枝川前乃がいた。

その時の彼女の表情はとても苦しそうで＿＿＿＿ただの嫌がらせじゃない。

それだけは直感した。

理由を探す中…一気に身体の力が抜け、
私はそこで意識を手放した。

次に目を開けた時、そこには見慣れない白い天井と鼻につく消毒液の匂い

体を起こせば周りは私はベッドの上、そしてその周りには白いカーテンがかかっている。

窓から差し込んでいるのであろう陽の光は既にオレンジに染まっており私がどれだけ意識を失っていたのか予想させた。

視線を自分の四肢に移せば、包帯だらけ。

「…派手にやったなぁ。」

右腕怪我が1番酷そうだ。
少し動かそうとしただけで激痛が走る。

こんな状況になっても脳裏に浮かんだのは枝川の顔。

あの表情の理由をまだ探していた。

しばらくすると担当医が来て怪我の具合の説明

そこから始まった長い長い話。

要約すれば…軽い擦り傷は数日したら自然治癒するとのこと。

やはり問題は右腕だった。
数多くの大小様々な破片のせいで皮膚やその下の筋や筋肉がひどく傷つき縫合も困難らしい。

そして辛うじて止まっている出血も傷口に衝撃や負担がかかれば再び開くことや激痛が走ることも。

もちろん最後に言われた言葉は、『バスケを辞めろ』

だが私に辞める気なんてさらさらない。
それには一切返事をしなかった。

傷を開かせないように包帯をし、
無理をするプレイはできなくなった。

それから後に枝川と関わることもなく

結局女子が男子の公式試合に出れるようになったのは私が3年に進級した年彼女は既に卒業しており

確実な天才であったのに公式記録は残らなかった無冠の五将と呼ばれるようになった。