第203Q 暗雲低迷 ページ3
それから行われる誠凛の決勝戦
「今日の相手は霧崎第一、出来たばかりで時間が無いウチは練習時間をほとんどを使ってラン&ガンスタイルでここまで来たわ！
けど今まで通りのラン&ガンじゃまず勝てない、それほどの相手よ！！
まず最初から仕掛けてこっちのペースに持ち込む！わかった！？」
リコの声に全員が答える。
「それなんだが…あのさ試したいことがあるんだ。ぶっつけ本番になっちまうけどな。」
木吉の突然の発言に全員目を丸くする。
「ま、楽しんでこーぜ！」
それから数分後、試合が開始。
木吉の“後出しの権利”を駆使したプレイで相手を翻弄しながら手を重ねて行く。
初めて見せる木吉のPGとしての才能がチームメイト、相手ともに目を奪われる。
そして日向の3Pも落ちることを知らず4本連続で決まる。
「(日向と木吉が噛み合うと本当に強い！
夢物語じゃない…マジで行けるぜ全国！！)」
第4Q 残り1分 誠凛の10点リードで霧崎第一に動きが…
「花宮、交代よろしく。」
「あ、はい。」
この交代が悲劇を生むとはこの時、誠凛の誰も知らない。
微かに痛む木吉の膝。
「何だかなぁ…これもう負けじゃん。だから早く出せって言ったのに…。
このまま、タダで決勝戦リーグ行かすのも癪だし
代償くらいはもらっとこか。」
輝きに満ちた明日に暗雲が立ち込め始める。
「霧崎第一メンバーチェンジです。」
コートに入った花宮真の姿。
「あいつは…」
「知ってんのか木吉？」
「確か“無冠の五将”とか呼ばれてる木吉と同格の選手だ。」
「何でそんな奴が今頃…！？」
「わからない…ただいい噂を聞かない奴だ。」
試合が再開されボールは花宮へ
マッチアップは同じポジションの伊月
「(残り時間は少ない…どう来る！？)」
日向がマークしていた選手が動き出し追いかけようとするとスクリーンにより防がれ
花宮からパスが通りシュートが決まる。
「(至って普通のプレイだ…思い過ごしか…！？これならこっちがミスしなければ勝てる！)」
木吉を見て嬉しそうに目を細める花宮
そしてチームメイトに向かい口を開いた
「さぁDF！とにかく1本止めましょう！
諦めなければチャンスは来ます！意地見せてやりましょう」
誠凛の攻撃、得意のラン&ガンで攻め上がりシュートを放ったのは小金井
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作者名：ざわわ | 作成日時：2017年2月9日 1時
