【黒子のバスケ】未来へのキセキ Ⅴ (ページ11)

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第211Q 同じ音ページ11

誠凛がタイムアウトを取り、双チームのメンバーがベンチに戻る。

「このバカッ！！」

「いっっ！！」

戻って早々火神の頭に下されたリコの拳骨

「何考えてるのバカタレっ！！
あんたが退場したら勝てるもんも勝てなくなるでしょーが！！
だいたい向こうは審判に見えないようにやってんのよ！？

やんならこっちもバレないようにしなきゃ！！！」

「(えっ、そーゆーこと！？！？)」

その説教の隣では…

「いって…冷やすもんくれ。」

「あっ…はい！」

日向の左腕には大きな痣
その痛々しい傷を見た木吉はあることを決める。

「火神、OFはこの先外から攻めてくれ。」

「え…？」

「DFもリバウンドもやらなくていい、中はおれだけでいい。4人は外を頼む。」

「は！？」

「1in…4out！？」

「なっ！？」

その言葉に全員目を見開く。

「何言ってんだ木吉！！中が特にラフプレーが酷いんだろう！？
そんな事したらお前が集中的に痛めつけられるだけじゃねーか！！」

「ちょっ…ただでさえアンタ、膝痛めてんのよ！？ダメよ！むしろもう交代して…」

「だめだ、やる。
悪いな、日向、リコ。このために戻って来たんだ。こここで代えたら恨むぜ、一生。」

「そんな……っ。」

木吉のその鋭い視線に言い返す言葉を失うリコ

その直後、タイムアウトが終了。
試合再開後、木吉の言った通りインサイドは木吉のみ。

リバウンドの際、原古橋から蹴られたり殴られたり

「(どういうつもりか知らねーが…)」

「わざわざバカじゃないの？」

どれだけ踏まれようが構わずボールを獲りゴールに押し込む

「木吉！」

「大丈夫だ！あの程度の接触はへでもないさ。このままゴール下は任せろ！」

その後も木吉に対するラフプレーは止まらず
誠凛のリードは保てているが…木吉の身体には痣が増えていく一方。

「…健気ね、“鉄心”」

「その名前で呼ばないでくれるか枝川。」

「それはごめんなさい」

「何で…お前が…バスケに対してあんなに真っ直ぐだった…」

「別に、理由はなんでもいいでしょ。全てを諦めただけ。
“無冠の五将”って言っても“キセキ”には勝てないからよ。」

この枝川の言葉、それを聞いた時誰かの姿と重なる。

そんな中、霧崎第一のシュートが外れる

「あーもう…ウザ。そんなに死にたいなら死ねよ。」

あの日と同じ音が響く＿＿＿＿指が鳴らされた。