No.33 ページ35
あ、やべ。
手の平から血が出てる。
擦れ傷どころじゃなさそう。
いって、と思いながらも走り続ける。
ツゥ、と膝から血が垂れる。
さと「おい、A!無理すんじゃねぇよっ!!」
もー大丈夫だよ。
みんな心配しすぎwww
『ふぅ………ふぅ……』
転んだ反動でとてつもなく人には抜かされた。
が、この私がこのまんまさとちゃんにパスを渡すとでも?
否。
一位になって、やる。
『よし、』
一人、二人、三人……次々に抜かしていく。
「Aちゃん頑張れー!!」
「柏木走れぇ!!」
クラスや同じ部活の先輩達からの応援が聞こえる。
頑張りますっ!!
『…っ!!』
足や手を痛めながらも走り、さっきの陸上部の女の子の元までついた。
もうそろそろで抜かせると同時にもうそろそろで一周してしまう。
あともう10cm。
5cm
2cm
1cm
『じゃあね、』
「っ?!…な、んで。転んだくせに。」
すぅっっごい驚いてるね。
舐めんなよ私のことを。
つかやっぱ私が転んだのって意図的なやつやったんだ。
かなしぃ。
私この子に何かした事ないよ?
『さとちゃんっ!!、パス!』
赤いバトンを彼に託す。
任せたよ。
さと「あとは俺に任せろ。」
なんだろ。
気のせいかも知んないけどさとちゃんの背中がちょっとだけたくましくなった気がする。
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__第四弾__
有賀奏多
一年のかわいい後輩くん。Aの前可愛い系の男の子だけど、普段はむっちゃ毒舌。ギャップです。
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作者名:あいますく | 作成日時:2022年10月18日 23時