身長が低めなのは気にしないで ページ21
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「俺は白夜叉!我と思うものは出会えぇぇぇ!」
坂田さんなら、多分絶対言わないだろう。
しかし敵さんに私を白夜叉だと認識させるにはしっかり名乗っておかないと。
眼前にはゴミのように沸くゴミ共。
詰まるところ結局ゴミ。
しかしよくもまあこれだけ頭数を揃えたな。
大規模交戦とはまさに、だ。
天人共を切ってゆく。
残念な事に力が無いので斬撃を受け止めることは出来ない。でも、避けることは出来る。
隙をついて、一人、また一人と無力化、ないしは殺して行った。
あれから何時間たっただろう。
気がつけばチラホラと見えていた仲間達は誰一人として見えなくなっていた。
「っおおおおおお!」
無我夢中だった。
斬って斬って斬って!
「囲め、囲め!白夜叉を殺るぞ!」
「ぉらああああ!」
そんなもの気にしない。
ただ敵を斬るだけ。
後、三十匹。
過呼吸のように上手く息が吸えない。
後、二十匹。
だんだんと手の感覚が無くなってきた。
後、後十匹!
ハッと身を引いた。
しかし間に合わず、思いっきり地面に。
長槍の、刃の方ばかりに気を取られてしまっていた。
あああ、私はなんとも馬鹿だ。
刺殺されるならまだしも柄で押さえつけられるなんて。
立ち上がろうにも、手足はゆう事を聞かない。
「げへはは!見てろよ!この俺が白夜叉の首を取る!」
大きな刃物を持った天人が近づいてくる。
万事休す、か。
「まて」
「あぁあ?」
目だけを動かす。
黒服の、男?
「白夜叉の身を、こちらに渡してもらう」
「ふざけんな!こいつは俺が仕留める獲物だ!」
「そうか、ならば」
そう言って、男は残り十匹の天人共をあっという間に殲滅。
そしてこちらに向き直った。
刀を取りたくても、手はぴくりとしか動かない。
「…従え、白夜叉。貴様の仲間二人はもうこちらが確保している。」
錫杖の裏側に着いた隠し刀を向けてくる。
「……わかった」
低い声を出す。
戦場に女が居ないという潜在意識と、ドロドロなのも相まって、女だとは気付かれて居ないようだ。
何度か深呼吸をすると、よろよろとだが動けるようになった。
ゆっくりと立ち上がる。
「歩け」
多分、これからあの場所に向かうのだろう。
覚悟は出来ている。
そう言えば、この錫杖どこかで見たような…?
今日一番貴方を癒してくれる高杉
キセル高杉
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美結菜 - とても面白かったです!完結おめでとうございます!沖田レイアさんの作品は全部見ました。とても好きです! (2023年2月13日 17時) (レス) @page29 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - tさん» ありがとうございます!本当にいつも励みになっております! (2019年6月16日 21時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
t - 言葉にならないほどサイコーでした! (2019年6月16日 20時) (レス) id: 98ce886fc4 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - こんな勝手な駄作者に暖かいコメントを書いて下さって本当にありがとうございます!もう、本当に神様です (2019年6月3日 18時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - こんなにいい作品をありがとうございました! (2019年6月3日 16時) (レス) id: 99b24daa8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2019年2月24日 20時