一匹 ページ1
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書類を読み終えてハンコを押す。
ふと時計を見ると、時刻はちょうどお昼休憩で。
お腹がすいていたのと相まって、食堂に行こうかと立ち上がった。
部屋から中々出ない人なので、食堂のガヤガヤ感は嫌いじゃない。
なんか、微笑ましくて。
「あ、A様!お昼っスか?」
「こんにちは、また子ちゃん。そうなの。仕事が一段落ついてね」
「お疲れ様っス!本当は奥方様にお仕事なんてさせるべきでは無いんスけど……如何せん筋肉バカが多くて」
「いいのよ!むしろ私は命のやり取りをしていないのだから、もっと頑張らなきゃ」
「そう言って貰えると嬉しいっス!……A様はちゃんと働いているのに、あの女は……」
「また子ちゃん」
私の苦虫を噛み潰したような声にまた子ちゃんはハッとして顔を上げる。
私も別に怒る訳でもない。心の中で思ってることは多分一緒だし。
でも。
「おうのさんは晋助様に見初められてここにいるんだから、口に出すものでは無いわ。それに、愛人は愛されるのが仕事よ」
「……A様は心が広すぎるっス……」
「私的にはまた子ちゃんの方が優しすぎるわよ」
だって、私の事を心配してくれてるんでしょう?
「私は大丈夫よ。でも、お腹は空いたわ。一緒にご飯食べない?」
「よろこんでお供させて貰うっス!」
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coma7672(プロフ) - すいません!前のコメント間違えて送信してしまいました、、お話最高すぎます!更新楽しみにしています!! (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
coma7672(プロフ) - 高杉晋助 (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年1月12日 19時