【銀魂】ラブコメとは言わせない【高杉晋助】

☆ ページ6

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意を決してガラガラと戸を開ける。
音から察していると思うけど、引き戸である。
うん、この説明いる？

いや、いるよ。すげーいる。
現実逃避。現実逃避。
人間脆いからね。
逃げなきゃやってられねぇよ。

ああ､出来ることならこのまま永遠に逃げ続けたい…

しかし、誠に残念ながらそうは問屋が卸しませんで｡

私の登場でしぃんと凍りついた空気を肌でヒシヒシと感じる。
さあ、クラスメイトはどう出るだろうか。
元彼ピが真面目に説明しているなんて思っていない｡

……うぅぅ……きっとあっちを信じるんだろうな…

クラスのリーダー格である一人の女子がこちらに真っ直ぐ近寄ってくる。
正直、こ、わ、い。

肩を掴まれて、打たれる！暴力反対！
ぎゅっと目をつぶった。


「Aさん！私達はAさんのこと信じるからね！」


思わず目を開ける。
え？聞き間違えかな？


「だって証拠も無いのに疑うとか有り得ないですし。何より浮気男の言うことなんて信じません！」

「は、はぁ……ありがとうございます……」


勢い込んでいる様子に圧倒されながらも何とか頷き返す。
ちらりと例の二人を見ると、散々絞られたのであろうか。
すっかり小さくなってしまっていて。

いい気味だ、と思い掛けて、待てよ、と止める。
どうも出来すぎやしてませんか？
ストーリが。
まるで三文小説みたいに。
単調で、在り来りな！


(こいつら……グルだな)


きっと元彼ピッピ様が口先三寸で言いくるめたんだろう。
大方その話も突っつけば簡単に崩れそうなものなのだろうけれども。
しかーし。
素直。悪くいえば馬鹿なクラスメイト達は信じてしまったのだろうねぇ。

偏見だし、きっと私が会った奴らがそうだっただけなんだけど。
お金持ちって素直ってか、馬鹿ってか、人を疑うって事しないよね。
なんでだろう？
そう言うのを懐が広いって言うんだよ、とか検討違いの事言う奴いるけどさぁ。
あれ、ただの馬鹿だよね？
騙されてるだけだよね？

ああ、もうホント嫌い。
何がって、私が。
クラスメイトに騙されてる状況にも関わらず冷静で無感情な思考が出来る私が大っ嫌い。

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