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大きなビル風がひとつ吹き抜けた。
「家まで送るよ。俺、車で来たから。」
茫然と立ち尽くす彼女に、後ろから声を掛けた。
A「………」
「A？」
Aは物言わず、ゆっくりと彼とは逆方向に歩き出した。
反射的に俺は彼女の後を追った。
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A「ごめんね、付き合わせちゃって。隆弘くんも彼女待ってたのに…」
「いや、彼女はきっとあそこには居ないから大丈夫。」
オフィス街から少し離れた歓楽街を、あてもなく2人で歩いた。
Aは見るからに落ち込んでいた。どうしたもんかと必死に言葉を選んでいると彼女が突然振り返り
A「ねえ、海が見たい！」
「え？！」
突拍子もないことを言われ、立ち止まる。
A「もうワガママって思われてもいいや！だって私たち、今日は親友だよね？！海が見たい！車で来たんでしょ？じゃあ連れてって！」
驚きと共に、またじわじわと笑いとワクワクが心を占領してゆく感覚に溺れそうになる。
「っ…よ、よし！今日はとことん付き合うっ！……だけど、俺たち随分歩いてきちゃったからさ…。車まで逆戻りだよ？笑」
えー！！と不貞腐れる彼女が彼女らしさを取り戻したのを見て安堵した。そして知らぬ間に自分にのし掛かる問題も、何故だか大したことは無いような気さえしてきた。
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A「隆弘くんって…お金持ちなの？」
Aは車に乗り込むと初めて俺を警戒した。
「そんな顔しないでくれる？親友だよね？笑」
A「そ、そうだけど…」
なぜ車を降りようとしてるの？この子笑
「絶対何にもしないし笑」
A「答えになってないし！」
「あーもう、海連れてくのやめよっかなー。」
A「あーそれは、ごめんなさい！」
「…ふはははっ笑 ウーソだよ笑 でもさ、お互いの事を詮索するのはやめない？今日限りなんだから個人情報は必要ないでしょ？」
幸い、彼女は俺のことを知らないようだったから好都合だったんだ。
A「そうだね。親友を疑うなんて私、どうかしてた。さ、海に行こう！」
きっと、彼女も然り。
エンジンをかけると流れる音楽にハッとした。自分の曲、聞いてたんだった汗
A「なんの曲？これ。」
どうかAが知ってませんように…
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Ika2424(プロフ) - あきさん» あきさんコメントありがとうございます！今夜は続きup出来るかな…？楽しみにして下さって感謝です！！泣 是非これからも覗いてやって下さい☆☆ (2021年6月19日 10時) (
レス) id: 747fe2c92e (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - めちゃくちゃ続き気になります( ; _ ; ) (2021年6月18日 5時) (レス) id: 32c3617f72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ika2424 | 作成日時：2021年3月15日 1時
