引きこもりが愛されてしまった…【文スト】

元引きこもりが３４人。 ページ41

相沢side

『えっと、なんで袋にラムネ入っているとわかったんですか？』



もらったラムネを両手で落とさないようにしっかりと持って言う。



簡単だ、と切り出して乱歩さんは説明する。



「受け取ったとき、重みを感じた。それだけ。こんなの誰にでも分かるだろう」



子莫迦にするような表情で突かれ、まるで私がとんでもない莫迦みたいだ。



間違ってはいないけど。



『そうですか、では私は仕事があるので』



むっとしながらデスクに戻った。



３０ｃｍ程の高さのある書類を見て溜息をつく。



探偵社って、こんなに資料が必要なぐらいの会社なんだ…



ー−−−
「おい、相沢。ちょっといいか」



はい、と返事をしながら声の主国木田さんの所へ向かう。



「賢治の任務のサポートをして欲しい。



　内容は連続誘拐犯を警察に突き出すこと、



　ついでに言えば太宰を連れ戻してくれないか。



　お前の書類仕事は俺がやっておこう」



『連続誘拐犯、ですか』



物騒だなぁ、と独り言のように呟く。



「なんだ、怖いのか？」



呆れたように吐き出す国木田さんに罪悪感が走る。



正式に社員になったんだ、もう弱音は言ってられないよね。



我慢するしかないのか…



「安心しろ、誘拐犯を捕まえるのは賢治に任せていいだろう」



えっ、なら私必要ないんじゃ、と抗議しようとするも言葉を被せられる。



「お前に任せたいのは賢治の監視だ」



監視が必要なぐらい、物騒な方と行動を共にするのか、私。



入社早々、色んな意味で終わったかもしれない。

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