好きだよ、レオくん４【佐野玲於】

にらめっこ ページ28

Your side



「…さいあく…」


次の日の朝、洗面所の鏡とにらめっこ。
少し赤く腫れ上がったまぶた。
泣きすぎた…亜嵐くんに優しくしてもらったら、
涙止まらなかったんだもん。


玲於くんに見られたら、ブサイクって______


言われ、ないや。もう…だって、離れたんだから。



さようならって簡単に割り切れたらいいのにな。

もうきっぱり、忘れられたらいいのに。

大嫌いになれたらいいのに。



左の薬指にはまったままのピンキーリングにそっと触れた。お揃いのリング。

私とレオくんの唯一のお揃い。

今まで喧嘩しても、これだけはとらなかった。
とったら本当にいなくなっちゃう気がしたから。



" 好きって言ったら、迷惑…？ "

" ううん、迷惑じゃない "


そんな会話で始まった。もう一年以上前のこと。
お塩だけど、時々優しい玲於くんが気がついたら
大好きになって、毎日好きだよ、って言い続けた。

めんどくさいって最初は突っぱねられてばっか。
それでも好きでいたのは、本当は優しいって
私は誰よりも知ってたつもりでいたから。


区切りはちゃんと、つけなきゃダメだよね。

近くにあったペンと紙切れ。


紙にペンを走らせ、それを鞄の奥に仕舞い込んだ。


そして小指からそっと銀色のリングを抜いた。

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