好きだよ、レオくん４【佐野玲於】

最後まで ページ27

Reo side



「でさ、あいつとぱったり連絡途絶えたってこと。」

「でも同じ場所にはいるんでしょ？」

「いるよ、あっちは後輩の専属なんだから。」


ホノカが精神科を退院したと連絡が来て、
退院祝いにいつもの居酒屋に。

最後にあった時よりかはやつれてないし、
たまに笑顔を浮かべる姿に安心した。
けどここでも話はAのことばっかり。


「はぁまじでどうしよ…」

「電話してみたらいいんじゃないの？」

「んなの…とっくにしてるって。
いくらかけても繋がんねーの。」

「うわぁだいぶ嫌われたね。」

「…っハッキリ言い過ぎ。」


嫌われた…か。
そうだよな、俺…あいつに嫌われたんだよな。
拒絶されて、連絡先消されて。
…完全に嫌われてる。
　

「Aちゃんのこと、ほんと大好きなんだね」

「え、…まぁ。彼女だし、あんなんだけど。」

「じゃあ仲直りしなきゃ。」

「あいつにもう彼氏とか…
できてたらどうしようかな。」

「直接会うしかないじゃん。」



直接会う、なんて口では簡単に言えるけど、
行動に起こすのって相当難しいんだよ。

もう、俺の隣にあいつがいて、
あいつが笑ってるところが想像できない。
幸せになんか、結局俺じゃできない。
そんなんもう分かってたけど、俺が好きだから
離れたくないって、そう思ってた。

俺が最後までわがままだった。



「諦めどき、ってあるのかな。」

「…諦めちゃうの？」

「やっぱ、無理かなって。」

「俺のわがままなんだよ、あいつといたいって。」

「Aちゃん、玲於のこと大好きだよ。」

「…そんなん、昔の話。」



" レオくん "

" レオくん "

そう言って、俺の後ろをつきまとってたことなんか、
もうとっくのとうに過ぎ去っていた。

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