好きだよ、レオくん４【佐野玲於】

せかいでいちばん ページ29

Reo side



突然だった。

起きて、携帯見て、仕事のメール適当に返して、
飯食って、マネの車乗り込んだとき。突然。

裕太くんから電話かかってきて、
いつも電話なんてかけてこないから緊急かと思って、
慌てて出てみれば、聞こえたのはAの声。


" 30分後、メイク室にきてください "


それだけ言って切られた。
なにって、脅迫電話かと思った。




で、今メイク室の前。

3回ノックして、走ってきた息を整えて、
ゆっくりとドアを押した。




でも、あいつの姿はない。

代わりに置いてあったのは、小さな紙切れ一枚。


「…っんだよ、これ…」



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



レオくん、好きでした

せかいでいちばん、大好きでした


ごめんね

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




ばかじゃん。

ほんと、せかいでいちばんバカだよ。

なにが…大好きでした、だよ。


電話だって一方的に切って、
俺にはなにひとつ言わせてくれないのに。
ずるいよ、ほんと。


最後の文字が滲んでいる。
泣いたんだ、これを書きながら。

俺の前で全然泣いてくれないくせに、
こんなの書きながらひとりで泣いて。
俺、そんな強くないよ。
まだ未練たらたらの相手にこんなのもらって、
平常心でいられるほど強くないんだよ。



" 好きって言ったら、迷惑…？ "

" ううん、迷惑じゃない "



ほんとはAに迷惑？って聞かれたとき、
好き、って言えばよかったって、
帰ってからずっと後悔してたっけ。

ほんとにこの時にはもう、好きになってた。
でも俺には難易度高すぎた。
目の前の相手に、Aに…
好き、って伝えるなんて。


せめて最後だけでも、言わせて欲しかった。



好きだよ、って。

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