心配 ページ42
「…早かったな。」
『お父様!?もう帰られたんですか?』
早かったんですね。
そう云い脱いだ靴を片付け急いで準備をしないと、と手洗いをし台所へと向かう。
すると突然お父様が私の腕を掴んだ。
『わっ、どうかしたんですか?』
「………、その、だな。父親としてこんなことに首を突っ込む巾ではない、と分かっているのだが……」
「今日、会ったのはお前の恋人か?」
そう言ったお父様の顔は滅多に見ないくらいに真剣で。ちらりと彼の腰を見ると刀を携えている。私は其れが可笑しくて堪らなかった。
『………、ふ、ふふ、あははは!!』
「な、なにが可笑しい」
『ちが、違いますよ、ふふ、私が今日会ったのは』
『ふっ、源一郎叔父様です…フフッ』
「……は?」
「詰まり其れは彼奴が娘ほど年の離れたお前に手を出した、と?」
お父様は腕を掴んでいた筈の手をいつの間にか私の肩に乗せ力を込める。一寸待って欲しい。
お父様、顔、顔怖いです。次いでに力も強い。
けれどその時は只お父様が可愛くて堪らなかった。
私はお父様を抱き締めると飛び付くようにして肩に顔を乗せる。
『ホントに可愛らしいお父様ッ!源一郎叔父様とは会っただけで恋人でも何でも在りませんよ。』
「……………そうか。」
大きな溜め息をついたかと思うと私を見下ろす形で見たかと思うと左手はそのままに右手を顔に持っていき更に大きな息を吐く。そして私をもたれ掛かる様に抱き締めるとお父様は蚊がなく様にか細い声で言った。
「……お前が、………結婚して出ていってしまうかと…」
『…出ていきませんよ。私、お父様が世界で一番大好きですから。』
お父様もでしょ?そう聞くとお父様は一度顔を上げまるで降参だ、と言いたげに微笑んだ。
「……あの〜、僕達も居るんですけど…」
「バッ、おい敦!!A様と社長の時間だ、雰囲気がぶち壊しだろう!!」
「アンタが一番壊してるよ。国木田。」
『あ、皆遊びに来てたんだ。……お父様?』
「……」
『……あぁ、皆が居るのに…やってしまった……的なあれですか?』
『大丈夫です!!皆お父様が親馬鹿だって気付いてますから!!…イタッ』
安心させようとそう言うとお父様は無言で私に拳骨を落とした。
_____
「因みにバッチリ録音済みだよ!」
「…太宰、話がある。」
「エッッ、アッ、社長???」
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冬蜜柑美味い - テンポ…!褒められるの初めてです!!がんばります!! (2月2日 19時) (レス) id: 161dd8d243 (このIDを非表示/違反報告)
笹の葉 - 話のテンポが好きです!頑張って下さい!!! (1月27日 15時) (レス) id: 8035cab69c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - きんにくふぇち@他力本願。さん» ですヨネ!…でもそういうポジのお方グッズが少なくて…あ、涙が…… (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - アキハさん» 超、嬉しいのですが!?頑張ります!! (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
きんにくふぇち@他力本願。(プロフ) - そりゃ社長好きっスよ……というかイケオジ好き。 (1月15日 21時) (レス) @page22 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬蜜柑美味い | 作成日時:2024年1月5日 11時