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不敵 ページ28

戻ったは良いが、と隣の刑事さんを見る。車に突っ込まれたのか血だらけだ。それに変な痣まである。
……よくよく見るとこの前の…… 箕浦さん…だったけな。





よく分からないまま取り敢えず通信機のみ貰い大通りに出ると____あのヨコハマとは思えない程に荒れ果てていた。半壊した建物、あたりに響く叫び声、逃げ惑う人々。






『彼の人が言った事は誠だったのか…。』












「…ッ!……Aちゃん!?」





『中島!…それはッ!?』







声が聞こえた方を向くとそこには中島が立っていた。中島はあの少年が持っていた不思議な人形を抱えている。中島は何かを言おうと口を大きく開くが思いとどまるような顔を見せ簡単に状況を伝えてくれる。






「___ッ、兎に角、この人形を太宰さんの元にッ…ッ危ない!!」






『ッ!?……中島危なッ…!!』






中島は空から起きてくる銃弾から庇う様にして私を抱きしめる。
虎の再生能力のお陰でなんとか立ち直った様だが……。






『ッ!!……ごめん、中島……だが、これで狙撃手の位置が判った……。』






そう言い異能を使おうとした瞬間、先程中島を掠った大量の銃弾により道路が抉れひび割れていることに気が付いた。中島は私を支えて居る所為で落ちかけている赤子を救えない。私は中島を思いっきり突き飛ばすと大声で告げる。









『私は足止めに徹する!!早く太宰の元へ!!!』





「……ッ!!Aちゃん!!!」








中島は落ち行く私を見て目を見張るが唇を噛み締め赤子を連れ、駆け出した。
…これで心置きなく異能が使える。












『異能力【学問のすゝめ】…森羅万象!!!』









その瞬間、ひび割れた地面から大量の木の幹が狙撃手の乗ったヘリコプタァに向かい凄まじい勢いで伸びゆく。それはきっとほんの数秒程しか奪えない。そんな決め手でも何でもない攻撃。
だが、これで良い。その数秒で彼奴らは成し得るだろう。










___否、私達は成し得るだろう。このヨコハマを救うという大義を。



















そうニヤリと笑った落ちゆく私の顔はきっと、とんでもなく不敵だっただろう。

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冬蜜柑美味い - テンポ…!褒められるの初めてです!!がんばります!! (2月2日 19時) (レス) id: 161dd8d243 (このIDを非表示/違反報告)
笹の葉 - 話のテンポが好きです!頑張って下さい!!! (1月27日 15時) (レス) id: 8035cab69c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - きんにくふぇち@他力本願。さん» ですヨネ!…でもそういうポジのお方グッズが少なくて…あ、涙が…… (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - アキハさん» 超、嬉しいのですが!?頑張ります!! (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
きんにくふぇち@他力本願。(プロフ) - そりゃ社長好きっスよ……というかイケオジ好き。 (1月15日 21時) (レス) @page22 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬蜜柑美味い | 作成日時:2024年1月5日 11時

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