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怒り ページ23

「全く不甲斐無いねェ。」




妾の能力が無きゃ今頃揃って土の下だよ、そう言い机の上でのたれ死んだ様な国木田達を見下すように見下ろす与謝野。中島は己と同じ事をされたはずが己とは打って変わり眠るような表情で安らかに眠る賢治を少し引いたように見つめる。






「具合は如何だ。」





福沢のその言葉に先程まで机の上に置いていた体を置き上げ眼鏡を持ち上げる。




「社長、申し訳ありません俺が居ながら…。」





「佳い」






少し出る、そう言い着物を翻す彼の肩にいつもの羽織は無かった。
敦は今、外出なんてそう言い心配げに眉を下げるが、福沢はその言葉も聞こえていないかの用にバタン、と大きく音を立て社を出て行ってしまった。
与謝野はそれを見てため息を吐くと一言つぶやく。



「ありゃ相当鶏冠に来てるね。」





敦はその言葉に首を傾げつつも辺りを見渡す。
何時も福沢について出るAが居ないのだ。





「あの…、Aちゃんは?今日は学校なのかな…。」




「……なンだい、覚えていないのかい。」





Aはね、そう言い少し顔を俯ける与謝野。
敦は思わず息を呑むがその後に続いた言葉は衝撃的なものだった。
________アンタらを庇って治療中だよ。









「…えッ、…」




「………A様の容体は。」





「治療は終わってる…がまだ意識が戻ってない。」






その言葉に驚く思わず国木田は息を呑み下を向く。敦は驚き動けないままだ。
そして、医務室から出てきた太宰は少し息を吐き髪を耳にかける。






「……これは大事になりそうですね。」





「嗚呼…社長のあんな顔久々に見たよ。」







そう言い飴を舐める乱歩。
其々が今回の事件に思いを馳せる中Aは一人











_____眠っていた。









_=_=_=_=_=_=_=_=_=_=_=_






《__晩香堂?……会社設立前に社長が拠点にしていたと云う?》





「嗚呼……御訪客の様だ。………二人___否、三人か。」







そう言った福沢を三人の男が襲う_____が、直ぐに投げ飛ばされる。
国木田は云う。十把一絡げの視覚にあの人が負ける筈がない、と。







福沢は云う。




「戻って主に告げよ。“良き心掛けだ”と。」









____狙うならば今後も私のみを狙え。






そう云った福沢の言葉には確かな重みがある。











_____護る者が持つ















慥かな重みが。

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冬蜜柑美味い - テンポ…!褒められるの初めてです!!がんばります!! (2月2日 19時) (レス) id: 161dd8d243 (このIDを非表示/違反報告)
笹の葉 - 話のテンポが好きです!頑張って下さい!!! (1月27日 15時) (レス) id: 8035cab69c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - きんにくふぇち@他力本願。さん» ですヨネ!…でもそういうポジのお方グッズが少なくて…あ、涙が…… (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - アキハさん» 超、嬉しいのですが!?頑張ります!! (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
きんにくふぇち@他力本願。(プロフ) - そりゃ社長好きっスよ……というかイケオジ好き。 (1月15日 21時) (レス) @page22 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬蜜柑美味い | 作成日時:2024年1月5日 11時

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