broken emotion IV (ページ6)

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「…で、どうして侑李たちはここに？」

知「例の野良猫事件のやつ」

高「ここでも起きたんだよ、この前」

そうだったんだ…

私もこの仕事が片付いたら資料に目を通さないとな

高「で、Aちゃんはどうしてここに？」

「えっと…依頼人が事務所に来なくて…」

侑李に先程説明した事をもう一度雄也さんに伝える

高「なるほどね…」

知「計画的犯行だね。誘拐の」

「誘拐…」

知「きっと身代金じゃないかな」

「あんなお金持ちそうなのに？」

知「きっと多大な借金があるんだろうね」

高「…てことは今日は誘拐されち有岡くんの救出が仕事だね」

知「…まあ、大ちゃんを犠牲にする訳には行かないしね」

工事現場からすぐ

大ちゃんの車が見えた

車をとめて庭に入る

高「あ、そーだ。Aちゃんイヤホン持ってる？」

「うん」

高「仕事の時にはずっとつけといてね」

「わかった」

高「あと、名前はコードネームで」

「おけ」

知「…窓ってどこにあったか覚えてる？」

「えっと…１階と3階はわからないけど、2階はリビングに2つとキッチンに1つ、トイレに1つ。キッチンとトイレは人が入るサイズではなかった。」

さっき大ちゃんから放り投げられた窓を指さす

「あそこの窓から大ちゃんに放り投げられたの」

高「え、2階だったの…？」

「うん。あのトランポリンの上に落とされたから無傷だけど」

知「入るとしたらあそこが1番安全かな」

「あの窓はソファの後ろ側にあるから、ソファに座っていたら見えない感じかな…だけど、ソファに大ちゃんがいたら…」

高「丸見えだね…」

侵入の仕方が決まらない

リスクを犯す方法しかないのか…

知「…玄関から入るって手もあるね」

「お邪魔しますって？」

知「違うに決まってるでしょ。鍵を僕達が開けて」

「そんな事できるの？」

知「最近、鍵の開け方教えてもらってなかったっけ、雄也」

高「…知ってたんだ」

知「さ、雄也お願いね」

高「はいはい」

雄也さんは針金のようなものを取り出して鍵を開け始めた