人形遣いとプロデューサーの平和な日々（斎宮宗）

42話 ページ45

教室に入った瞬間、Aーーーー！という明星くんの大きな声と共に走ってきた。続けて遊木君、氷鷹君と来た。

「今日は一段と遅かったね。何があったの？」

明星君に聞かれ、さっきの出来事を説明した。

「それで、困ってたらえっと誰だっけ...あ！そうそう。瀬名泉さんって人が助けてくれて」

瀬名泉さんと言った時、遊木君の肩がビクッと上がった。

「え、えっと大丈夫？遊木君...？」

私の問いかけが聞こえてないのだろうか。遊木君は顔が真っ青で、何か怖がっている表情だ。

「明星。遊木を保健室に連れて行ってくれ。」

氷鷹君の言葉に明星君は大きく頷き、遊木君を支えて保健室に行った。そして、氷鷹君は私の方を向いた。

「すまないなA。遊木は少し前まで、モデル活動をしていたんだ。しかし、それは遊木にとっては向いていてすごく売れっ子モデルだったんだが、遊木自身はそのモデル活動が好きじゃなくて...でも、そんなことも言えずモデル活動をやり始めた結果、あいつの心は壊れてしまったんだ。今のあいつはボロボロになった心を必死にかき集めて出来ている遊木真なんだ。」

氷鷹君の重々しい発言に私はただ、そっか。としか返せなかった。

「ん？まって氷鷹君。それと瀬名泉さんはどう関係するの？」

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