手前の全ては俺の物。 (ページ4)

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2話ページ4

国「この大馬鹿者がｯｯｯｯサボるどころか社の看板を穢すような事をｯｯｯｯ！！」

太「だってぇ〜。」

貴「もう、太宰さんちゃんと反省して下さいよ。」

国木田さんに怒鳴られると、堪えたのか渋々席に着く太宰さん。

反省してるなと思いホッとしたのも束の間
太宰さんは端末を取り出し誰かに電話をする。

太「あ！もしもし！私だよ！今晩よければ私とどうだい？」

電話から聞こえる声は女の人の声だった。

貴「一寸！言われたそばから何してるんですか！切ってください！」

私の制止を片手で止めて、そのまま逢引の約束をする太宰さん。

貴「何してんですか！？国木田さんにさっき怒られたばっかりじゃないですか！！」

端末を机に置くと太宰さんはニヤニヤしながらドヤ顔をしてきた。

太「仕方ないではないか！私は女性にはモテるんだよ！国木田君みたいな堅物な仕事人間と一緒にしないでくれたまえ！」

貴「もう！太宰さんはどうしてそう仕事にも女性にもだらしがないんですか！少しは真面目に仕事をして下さい！」

太「ふーん。君だってそんな怒鳴り散らしたり、色気のない様じゃ君に一生彼氏なんかできないね。」

貴「な……っ！」

人が気にしてる事を遠慮無しに言う太宰さんに心底腹が立って書類を投げつけた。

貴「勝手に言ってください！わたしに彼氏なんか要らないんで！外の仕事があるので失礼します！」

そう言うと机に置いてある私物を鞄に乱暴に詰め込み探偵社を後にした。

_______________

仕事を終えた頃にはヨコハマの空は夕焼けに覆われる。

探偵社に1度報告書だけ提出して帰るつもりだった。

ふとすれ違うカップルに目をやると先程の太宰さんの言葉が心に刺さる。

「そんな色気のないようじゃ君には一生彼氏なんて出来ないね。」

思い出すたびに腹が煮えたぎる。

そんな事を考えながら歩いているときだった。

「こないだぶりだな。霧島A」

「な、中原さん！？」