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二人はその場で連絡先を交換して、その後ルームサービスで軽食を頼んでから、ポケモンバトルの感想戦を行っていた。キバナはそれを横目に聞きながら、いまだこちらに警戒を忘れないロイバを見る。彼の顔に見覚えがある気がしていたからだ。ロイバは娘と、娘に新しくできた友人が感想戦に盛りあがっている様を見ながら注文し運ばれた炭酸飲料を飲んでいた。
ファーストコンタクトはそんなものだった。この時点でアイビーに抱いた印象は曖昧で、ただ映像の中の少女とこの少女が同一な存在だと思えなかった。だから興味も湧かなかった。むしろ興醒めですらあった。
二度目にアイビーと会ったのは、彼女がまた父親の仕事の都合でガラル地方に旅行に来た時だった。再会は本当に偶然で、キバナは昼食を食べるために宝物庫の事務室からナックルシティの街中に繰り出した時、人集りが出来ていることに気付いてそちらへと足を向けた。その人集りの中心に居たのが、アイビーと見知らぬ青年達だった。
キバナはその時、アイビーの姿を見てもそれが彼女だと気付いてはいなかった。前回出会った時から一ヶ月ほど経過していて彼女に対する記憶が薄れていたことと、彼女が目深に帽子を被り亜麻色の髪をその帽子の中にしまいこんでいたから、印象が重ならなかった。
人集りの理由を知りたくて野次馬に話を訊いてみれば、二人は先程までバトルをしていたらしい。そしてアイビーが勝った。だが青年が、バトルの賞金を支払うのをゴネているのだとか。青年は同年代の青年等四人と行動しており、青年達は五人で揃ってアイビーを囲って『ズルだ』『インチキだ』などと少女を責め立てる。負けた時は大勢で囲んで賞金を払わずに終わらせて、勝った時も囲んで賞金を多く支払うよう仕向けるのだろう。悪質な奴等だとキバナは顔を顰め仲裁に入ろうとしたが、それより先にアイビーが口を開いた。
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作者名：綿雲しぃぷ | 作成日時：2023年6月27日 19時
