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喝采が起こる。スピーカーから音割れするほどの、文字通り割れんばかりの大喝采だ。それはチャンピオンの勝利を讃えるものであり、同時に健闘を尽くしたチャレンジャーを讃えるものであった。皆が口々に二人を褒める中、アイビーは血の気の引いた青い顔をしてその場にへたり込んだ。そんなアイビーを父親が抱き上げて、挨拶もそこそこにポケモンセンターへと向かうとその場を去るところで映像は終わっていた。

『凄いトレーナーだろう!? オレは猛烈に感動した! 彼女、今年10歳になったばかりだそうだ! つまりこれからもっともっと成長する! オレはそれが楽しみで仕方無い!! キミもそうだろう、キバナ!』

『わかった、わかったから落ち着けって』

『キミにも会わせたいぐらいだ! だがこの後、体調が悪いと言って彼女と会話することすらできなかった。一応、彼女の父親と連絡先を交換はしたが、彼女直通は無理だった』

『オマエそれ、警戒されてるんじゃねぇの?』

『警戒……? オレは彼女に無体はしてないぞ?』

『いや、フツー自分の娘に二十歳(はたち)過ぎた男が好奇心MAXで話し掛けに来たら、親は警戒するだろ。父親なら特にな』

『そうか……だがオレは、彼女がこの地方でジムチャレンジに挑めるようになった時のために、今のうちに彼女にジムチャレンジの推薦状を渡しておきたいんだ。彼女なら、最後のトーナメントまで残る。オレはそう確信がある』

『……とりあえず、仲良くなるところから始めればどうだ? 今の状態じゃ、推薦状を受け取ってももらえないだろ』

『それもそうだな……よし! そうと決まれば話は早い! キミも協力してくれるよな?』

『ハイハイ、協力してやるよ』

 その後キバナはその晩のうちに、(なか)ばダンデに押し切られる形でターフタウンへとアーマーガアタクシーで移動した。そしてその親子が宿泊しているとされているホテルに訪れ、フロント係に頼み客人が来ていることを親子に伝えてもらった。それから二人はホテルの中の一室を一時的に借りて、そこで親子を待った。

 先に入室してきたのは父親の方だった。名前をタイラ・ロイバという彼は、人好きのする朗らかな笑みでキバナ達を見ると『有名人に会えるなんて光栄だな』と軽口を叩く。それから二人が座っていたソファーの向かいにあるソファーに座り、ふぅと息をついた。

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作者名:綿雲しぃぷ | 作成日時:2023年6月27日 19時

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