【ポケモン】命儚し愛せよ乙女IV〜いずれにしても彼女は駑馬〜 (ページ26)

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ダンデの説明では、少女はターフタウンで行われる収穫祭を観に父親と共にその地を訪れたそうだ。そして父親に勧められてバトルに参加し、破竹の勢いでトーナメントを勝ち進んで行ったらしい。使用していたポケモンはゾロアーク一匹。トーナメントでは三体までポケモンを選出できたが、彼女はゾロアーク一体で決勝戦まで進み、そしてそのまま優勝した。ヤローの次に村で強いとされているトレーナーのポケモン三体を、ゾロアーク一体で叩き伏してしまったのだ。

　ダンデはこの少女に大変興味を持った。彼女についても、彼女の使うゾロアークについても。そのゾロアークは、太古の昔シンオウ地方がまだ“ヒスイ地方”と呼ばれていた頃に現存したとされる姿をしていた。薄灰色の体毛に、毛先が炎のように赤く染まり、猛る様を隠そうともしないその様に観客は圧倒された。優勝が決まり酒と王冠を授与された少女は愛想良く笑ってから、すぐに自分の王冠を父親にあげてしまったらしい。そんな少女が、アイビーだった。

　ダンデは彼女のバトルのセンスを讃え、是非自分ともバトルをしてくれないかと誘った。アイビーはその申し出を断りたそうにしていたらしいが、お祭り気分でテンションの上がった町人達に推し負ける形でアイビーはダンデとのエキシビションマッチを行うことになった。ダンデの選出ポケモンはドラパルト、バリコオル、リザードンの三体。アイビーの選出ポケモンはゾロアークとメタモン、そして父親から急遽借りたメテノだった。この時初めてわかったことだが、彼女はゾロアーク一体のみでトーナメントに参加登録をしていたらしかった。ゾロアーク以外を戦闘で使う気は無かったと彼女は話したが、ダンデとのバトルの舞台に引きずり出されてしまったのでそうも言っていられなかったらしい。

　そして始まったダンデ対(VS)アイビーの試合、これがキバナの見せられた映像であり、とてつもない激闘であった。

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