2、出会いだ。 ページ3
『…………ん''…。。う''…』
朝。秒針が5時を指した頃。ふと意識が覚醒した。
なにかに見られている気がする。
…こう、貫かれるような視線を感じる…何かの。
お化けとかそういう類が苦手な僕。だがそれと同じくらい好奇心が強い。
怖いもの見たさで薄ら目を開けてみた。
……………。
勢いよく足元にあった布団を手繰り寄せ、頭から被る。
……やばいよ。やばい。誰かいた。なんかいる。
何かがこちらを見ていた。これは夢であって欲しい。神様どうかお助けを…ッ!!
無宗教の癖してこういう時に神に縋るのってどうなんだろ。なんて、中々のピンチにどうでもいいことばかり考えるのってあるあるだよね。
くだらない自問自答は声によって点を打たれる。
「………貴様、そのような物で隠れたつもりか。」
……………なんか聞き覚えがある声。いやいやまさか、ないよな。現実にある訳…。
急に布団を剥ぎ取られて急激に体温が下がる。
「ここは何処だ。我に教えろ。」
やっぱり聞き覚えのある声。大好きな推しの…
『魈くん!?』
「ッ!?…我の名を知っているなど…ますます奇っ怪だ。お前の仕業か?…だが、魔物では無いようだな。」
とりあえずベッドサイドの明かりを灯して声の持ち主の顔を見る。
やっぱり魈くんだ。本物!?いや有り得なさすぎる。何故だ。え、コスプレ?ドッキリ?それにしては声まで似すぎじゃないか…??
混乱する僕を一瞥し、はぁとため息を着く魈くん。
『ん''』
それでさえ可愛いのだから仕方ない。
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作者名:ゴマ | 作成日時:2022年8月11日 2時