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何を言ってんだかと呆れた僕は見えない様に彼の背後で組まれた掌を抓り、更に爪先を踏み付ける足に力を込めれば直ぐ小競り合いまでに発展する。
「違う」と否定の言葉と共に首を振ろうとしても、今度は口を手で塞がれた。
殺伐とした双方の雰囲気に囲われても尚
のほほんと彼と僕の言い争い真っ只中に首を突っ込もうとする彼女は決して止まりやしない事を承知の上で、
「あら〜、だから急に大家さんが退居とか引越しの事話してたのね
私もうびっくりしちゃって…
これからは彼氏さんの家に一緒に住むのかしら?」
「えぇ、そうなんですよ
前から付き合ってはいたんですが、中々踏み切れなくて」
『んぅ゛、む…ん゛ーんッ』
夏目さんと何とかアイコンタクトを取ろうと試みてみるものの、やはり届かずに彼女はただ爛々と瞳を輝かせる。
嫌だ、人を同人誌のネタにしても自分はされたくない
謎の余裕と精神の元、抵抗だけは続けてみたはいいが話が通じる見込みもナシ
遂には疲労困憊の為、ぐったり彼の肩に寄りかかって階段へと過ぎ去る彼女を見送った。
「来栖くん良い彼氏じゃない、幸せになってね」
最後に囁かれた言葉に何かが切れて、誰が反社に幸せにしてもらうもんですかと反射的に吠えそうになったが
言ったらダメ言ったらダメとシンジくん並の早口で内心幾度か捲し立てて、どうにかして冷静に戻れないかとドアノブを回しつつ考える。
やっぱ通販で売り捌こう竜総受け同人誌、今度こそガッチガチに幽閉されるかもしれないけど。
『タチの悪い悪巫山戯はやめてもろて』
「俺がンな事に夢中になってるとでも?
ある種の戦略だよバーカ、合理的虚偽だわ」
何処ぞのアカデミアで何回も聞いた単語、台詞に心の中で少しwktkするのと同時に
何の意味が?と問う事も忘れず自室に足を踏み入れた。
だがその時、
『んぇっ、ちょっりんどーさんなに
まってって、ッ…』
両腕を扉側に縫い付けられたと思ったら、開いて塞がらない唇に口が押し当てられて腰も引き寄せられ
気付けば、彼が何時の間にか舐めていたらしい飴が自身の口の中に留まる。
再度慣れない行為に口腔はかき乱されるばかりで僕は何も反抗出来やしない、だってこんなの……
どちらかも分からない唾液が中心で切れ、彼が笑う。
「こゆこと、覚えときなよAちゃん」と
圧倒的受けが何言ってんだか
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わいt - いつになったら更新してくれるんですか!楽しみすぎて死ぬって!! (7月27日 22時) (レス) @page35 id: 258f12dfbe (このIDを非表示/違反報告)
乾燥(プロフ) - くっ...好みすぎて...ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ無理しない程度に毎秒更新待ってますぬ... (2023年1月1日 18時) (レス) @page35 id: c00320f8c9 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 莉夢#梵天の信者さん» ありがとうございます!あわわ、神がおるww貴方様の作品も本当に大好きです。 (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 雪の兎さん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります(*^^*) (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
莉夢#梵天の信者(プロフ) - あぁ、、、好きです、、、(*‘ω‘ *)最高。 (2022年9月24日 16時) (レス) @page19 id: 9e38cf74ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寝ん子 | 作成日時:2022年9月14日 7時