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日が暮れて、辺りが闇に染まり始める。冬だもんなぁ、日が沈むのは早いねぇ。
「ねぇ、岩ちゃん。俺今年もいっぱいバレンタインのチョコもらうから、岩ちゃんにも分けてあげるね！」
「うるせぇぞ、クソ川！」
「痛い岩ちゃん！」
なんで叩くの!?せっかく俺が親切にしてあげようと思ったのにさ！
「聞きましたか、松川さん。岩泉さんには分けるのに私たちにはくれないんですってよ」
「えぇ、聞こえましたわ、花巻さん。全くひどいものですわ」
「まっつんもマッキーもひどい！分ける！分けるから！」
「「あざーっす」」
「ちょっとそれが狙い!?」
今日は勉強の息抜きと言うことで、朝から4人で一緒にボウリングに行った。岩ちゃんの私服のセンスって相変わらずだよね。
「にしても楽しかったなー」
「ボウリングなんて久しぶりにした。こんなに楽しかったとは」
マッキーとまっつんが言う。4人で遊ぶのも久しぶりだったから、思わずはっちゃけた。うん、不可抗力！いやぁ、女の子がいっぱい話しかけたのは仕方ないよね！及川さんイケメンだから！いやぁ、困っちゃう困っちゃう。
「うるせぇぞクソ川」
「なんで!?俺何も言ってないじゃん！」
「顔がうるせぇんだよ！ニヤニヤしてんじゃねぇ！」
「ひどい！」
いつもと変わらないくだらない会話。でもこの時間が好き。いつまでも続けばいいのに、なんて。こんなこと言ったらどうせ叩かれるんだろうけどさ。
「うおっ」
「どしたの、まっつん」
まっつんが何かに驚く。マッキーが落ち着いてまっつんに何事かと聞くと、まっつんはとある箇所を指差して言った。
「かわいい子がいる…！」
━◈━◈━◈━◈━◈━
伊織に連れられて、4人は外に繰り出す。しばらく歩いていると、百合が何かに気がついた。
「あ、あれって…」
「どないしたん、百合」
「あの人たちって青城じゃん。間違いないって！どう見ても及川さんだし！」
百合の視線の先を見ると、確かにそこには、青葉城西のバレー部3年生4人がいた。
あからさまに顔をしかめるAに、夏実が言った。
「なぁ、初対面の人のフリせぇへん？」
めんどくさいから話しかけられませんように。とAは願った。
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作者名：七瀬月華 | 作成日時：2024年2月7日 17時
