バグ大 イケおじ短編集

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「あかんやろ。誰かれ構わず愛想なんか振りまいたら」

「振り撒いてなんか……」

「俺の妻やって自覚あんのか。アホ」



ただ、ただ怖い。赤い瞳は真っ直ぐにこちらを見つめている

大事にされているのは分かっているけれど……それはまるで
誰の目にも触れないように囲っているようにも見えた



「妻にしてしまえば少しは安心できる思ってたのになぁ
　……余計に不安になってもうた」

「っ！？」



首筋に軽く歯を立てた……と思った瞬間、それが深く突き刺さる



「や、徳史さ……っ」

「Aは気ぃ抜けばフワフワどっかに行ってしまいそう
　やからなぁ……しっかり躾な駄目か」



相変わらず楽しそうに笑みを浮かべる大嶽は本当に容赦がない



「すまんな。隠しきれん所に付けてもうた」

「っ、悪いって思ってませんよね」

「当たり前や。人の気も知らんと仲良うするAが悪い」


唇は徐々に下がり、鎖骨まで到達すると……



「まだ始まったばかりやぞ。何をそんなドキドキしとるん？」



バクバクと高鳴る心臓の音が聞かれてしまい、Aは
顔を思わず反らした



「ちゃんと目を見て話そうなぁ」



大きな手のひらが頬に触れて強制的に目線を合わせると
その薄く色付いた口に噛みつく



「早く慣れんと身が持たんで」

「意地悪……」

「人聞きの悪い事を言うのは止めんかい」



その可愛らしい反応に当初の怒りは少しずつ治まってきた
……けれどそれに比例するようにAを欲する気持ちが強まる

大嶽はその小さな体を抱え、寝室まで運び込む



「……終わったんじゃ」

「話聞いてなかったんか。言ったやろ？始まったばかりやって」



少々乱暴にベッドへ押さえつけると血が薄っすら滲む首筋に
唇が優しく触れた

傷の痛みとその優しい仕草の温度差が何ともむず痒い



「暫く外出禁止な。これは決定事項や」

「い、嫌です……そんな」

「いらん嫉妬なんかさせたAが悪い」



それでも嫌だと首を振るAに堪らず笑みが溢れる



「少しは反省せえ」

「んっ……」



もう話すなとばかりに唇を重ねる。Aはついに泣き始めた



「………」



それを見た大嶽は手を緩めるかと思いきや……







「そそるわぁ……なぁ……もっと見せてくれ」




無意識であるとはいえ、嫉妬深い夫を刺激してしまった代償は
あまりにも大きすぎるのだった






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六合会　張　※　リク→←天王寺組　大嶽　※　リク

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