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EL本部にダメージを与える事を狙った毛利班はこの日、大きな
賭けに出た
「どうやら伍代が上手くやってくれたようだ」
御前の情報をマスコミにリーク。するとたちまち世間は勿論
銀田派にも明らかに大きな動きが見られた
毛利がそう告げ、各々喜びの声を上げる中……
「……俺達的には一泡吹かせる事が出来てラッキーだけど
Aちゃんは違うんだよね」
「まぁな。しかしこの期に及んでまだ自ら動かないとは
本当に用心深い男だ」
龍臣とジェイクの視線の先にはどこか浮かない顔をしている
Aの姿があった
窓の向こうでしとしと降り注ぐ雨を眺め、軽くため息をつくと
二人の元へあゆみ寄る
「心配しないで。私は大丈夫ですから」
毛利派の中で……いや、組織の中で御前に最も近かったAは
覚悟していた。こんな真似をしてタダでは済まないと
「……俺達は仲間だ。お前一人で抱え込む必要はねぇよ」
「そーそー。あんなおっさんの所に二度と行かせないから」
「ありがとう」
久し振りに見る微かな笑顔に二人は少しばかり安堵の表情を
浮かべるのだった
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「A。A……それ程に私の事が嫌いか」
その頃。銀田を呼び出し速やかに事態の収束を図るように
指示を出した後、御前は苛立った様子でしきりにAの名前を
口にしていた
「一体何が気に入らない?何が嫌だと言うんだ」
自分より随分と歳下のAに翻弄されるなどプライドが許さない。
いや、それ以前に所有物が勝手に離れたのが何よりも屈辱だった
「望むものは全て与えると言っただろう……」
金も地位も全て手にしている筈の自分に何の不足があるのいうのか。
考えても考えても答えが出ない。苛立ちが我慢の限界を超えた時……
__ガシャンッ!!
「はぁ……っ、はぁ……」
高価な壺を薙ぎ払い、粉々になったのを見ても全く惜しいとも
思えなかった
こんな物よりAの方がもっと、もっと価値がある。
こんな無機質で味気ない物よりAの方が余程興味をそそられる
「……あぁ。ここにお前の贈り物があったな」
いつぞやの行為でAは御前の腕に傷痕を残していた。しかし
暫くたった今、その痕跡など残っている筈もない
「……A。覚えていろよ」
そこに唇を寄せると少しだけ苛立ちが治まったような気がした
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ぷるん(プロフ) - ゆずさん» 結局浮かばなかったらすいません💦そうですね、リク内容固まっている方からお伺いいただけると助かります (12月11日 18時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» それでしたら内容が既に決まってる方から伺っていく方が良さそうですね?🤔分かりました!少し呼びかけ方法変えますので引き続き待機お願いします🫡 (12月11日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» 続きも気になる展開でした!イケおじはやっぱり素敵で✨年末企画リクに迷いが生じます…イケおじに合いそうなお題さえ浮かべば😭 (12月11日 18時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございます!補足しますとこの時の大丸さんはまだ夢主に明確な想いを寄せていなくて、事故とは言え約束を反故にした事に対して憤りを感じている設定になっています!🤭 (12月11日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 大丸さんさっそく読みました!ゆず様のイケおじ……他のキャラでもよくそう思うんですが文字で読むとより格好よさや渋さが伝わってきてすごく好きです😊 (12月11日 18時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2023年7月6日 10時