・はいはい、言い残す事はそれだけですと。 ページ44
「グルッペン様、失礼します。」
鼓動を刻む音が速くなるのを、ルピナスは感じていた。
ボケッとに忍ばせたピストルの形を上からゆっくりと、なぞる。
入れ、と言われてルピナスは足を踏み入れた。
久方ぶりに入る総統室に、ルピナスに緊張が走る。
扉に内側から鍵をかけ、ルピナスはポケットから、ピストルを取りだし、銃口をグルッペンにつきつけた。
「大人しくここで命を落とせ！私はお前が大嫌いだ！」
そう言って、確かにルピナスは引き金を引いたはずだった。
だが、出てきたのは鉛の玉ではなく、発泡スチロールで出来た、軽い玉だった。
それはグルッペンにこつん、と当たり床に落ちる。
突然の出来事に、ルピナスは絶句した。
目の前ではグルッペンが静かに立っている。
仕方ない、力でしめるまで、とルピナスの体が動いた時だった。
ルピナスに何か重いものが乗っかる。
頭が動かず、誰が落ちてきたかもわからないルピナスはひたすら、暴れる。
「A、やれ。」
グルッペンの声に、ルピナスの瞳は恐ろしいくらい大きく開かれた。
「んの野郎、やりやがったな！」
ルピナスの怒声に、Aの力が少し弱まる。
そのチャンスを狙って、ルピナスが逃げようとした時、Aの持っているものが目に入り、止まった。
「いっつもそう。貴女は私の持てないものを持っていて、弱いくせに優遇される。」
ルピナスの叫びに、さらにAは腕に込める力を強くする。
息が上手く出来ず、ルピナスの声は絶え絶えだ。
手に持っていたものを、Aはルピナスの首元にあてる。
見た目はただのナイフである。
このナイフの貴重さは、ルピナスの慕う人物が、家族にだけ渡したということだ。
実はAは、一週間前グルッペンに１つ頼みごとをしていた。
それはβ国の要塞の隠し扉にはってある、ナイフを取ってきて欲しい、という願いだった。
無事、それはAの元に届き、今に至る。
「その瞳も、性格も、思考回路も嫌いだ。良いとこばかり、持っていきやがって。」
ルピナスの声はどんどん低く、小さくなっていっていた。
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2(プロフ) - 蠱毒さん» 大丈夫です！わざわざありがとうございます( . .)" (4月1日 23時) (
レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
蠱毒(プロフ) - 2さん» ありがとうございます。そう言って、いただけて嬉しいです！こみゅーのメッセージの方にパスワードを送っても宜しいでしょうか？ (4月1日 9時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
2(プロフ) - 面白くて続きが凄く気になるのですがパスワードが掛かってて続きを見れません💦良かったら教えてくれませんか？ (4月1日 2時) (レス) id: 6ca65a7c69 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - とても面白かったです！続きが読みたいのですがパスワードが…教えて貰えないでしょうか、、 (1月11日 1時) (レス) @page50 id: f664205a1a (このIDを非表示/違反報告)
こがしアイス(プロフ) - インクさん» さあ、どうなるのでしょう。続編も是非、お楽しみください。 (2022年8月12日 23時) (レス) id: 8cf3c0ec6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠱毒 | 作者ホームページ：@kodomikodoku
作成日時：2022年8月7日 18時
