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「あぁ！！！」
『ん？』
「大神だー！！！」
鉄塔のベンチで稲妻町の街並みを眺めていれば、後ろからの叫び声振り返る。声の主は案の定円堂で、ジャージ姿に右手はサッカーボールが抱えられていた。
『やぁ、円ど……わぁ"あ"あ"！！！？』
目を輝かせると、彼は突然突っ込んでくる。腹に彼の頭が激突し、思わず声を上げた。
『ばッ……か！嬉しいのはわかるんだが、限度というものがあってなぁ……！！』
「会いたかったぜ、大神ー！！」
『……君の耳は飾りなのかい？』
ぐりぐりと腹に頭を埋める円堂の頭を軽く叩くが動く気配がなく、彼が安定するのに暫く時間がかかった。
『……君といると疲れるなぁ。』
「はは、ごめん！」
『まぁ、その分飽きないのだけれどね。』
「大神……！」
『だァあぁッやめろ、引っ付くなって！』
やっと落ち着いと思ったらすぐこれだ、油断はならない。隣に座らせて、共に稲妻町を眺めた。
『そう言えば、円堂のそのジャージって……』
「ん？ああ！俺、雷門中に通ってるんだ！」
『……ぇ、雷門中って私立校だったよな。』
入学テストを受けている想像ができず、頭を振る。円堂はこちらの想像を悟ったらしく、わかりやすく顔を顰めた。
『あはは、そんな顔をするなよ……ふふ。』
「笑い、堪えれられてないぞ！」
『あははッ…ごめんね、つい…く、ふふ……』
ぐっと奥歯を噛み締めても笑いは堪えられず、円堂が不満そうな顔をして頬を掴んで引っ張ってくる。
『はは、ごめんってば！何すれば許してくれ……』
「じゃあ、サッカーしようぜ！付き合えよ！！」
『ッふぁ……！？急に離すな……って、サッカー？いいけれど、練習になる？』
円堂は立ち上がって、少し離れたところでリフティングを始めた。
「練習になるか、ならないかなんて関係ないさ！
俺はお前とサッカーしたいんだ、大神！！」
『……！』
小さい頃の円堂が重なって、目が眩む。
『……僕で良ければ、喜んで！』
「よし！」
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作者名：鷹羽 | 作成日時：2021年2月18日 2時
