噂の女 ページ5
竜胆
あっヤク中。
「おいヤク中。」
「うっせキメてねぇっつってんだろ。」
「この前そういった一分後にはキメてたじゃん。」
「知らねぇな。記憶飛ぶんだよ、キメてる時。」
「それ前も聞いた。まさかあん時もキメてたのか？」
「あれ？言ったっけ…。」
俺とヤク中は意外と話す。
実は見た目もかなり似ている。
髪型はお揃いで、兄貴にクラゲブラザーズなんてイジられる。
オマケに身長も同じ。
「そいえばさぁ、三途って、昔東卍いたよな？」
「まぁな。昔々のお話だけどな。」
昔話みたいに言うなよ。
「あん時のお前、俺あんま知らないんだけど。噂では、女って聞いた。」
「はぁ？女じゃねーよ。」
「だよな。こんな可愛げのないヤク中。」
「あ！？なんか言ったか！？」
「え、可愛げのあるヤク中のほうが良かった？」
「ちげえよ！」
違ってよかった。
「とにかく、なんで女とか言われてたんだ？」
「…知らねーよ、マスクしてたからじゃね。」
「あー。え、お前その傷気にしてるタイプだったの？」
「いや全然。(だろうな)その時の隊長から貰ったからつけてただけ。」
「なるほど。でも、マスクしてるやつ割といたくね？」
「いたいた。」
「じゃあなんで、お前だけ？」
「だから知らねえって。どーせ俺がロングだったからだろ。」
「うーん。そんなの俺も兄貴も、ロングだったよ。」
「…たしかに。なんでだ？」
「マイキーに聞きに行こうぜ。」
「よしっ！行こう！！」
急にハイテンションで不気味。
「あ、ボス。」
「…どうした？」
「俺って、東卍時代に女って言われてたらしいんです。なんでか分かりますか？」
………
「決まってる。お前がまつ毛長くて髪サラサラで無口だったからだ。」
そう言って、マイキーはスタスタと歩いていった。
俺は思わずヤク中をジロジロ見た。
「確かにまつ毛は長い。髪はサラサラ。…無口？」
こんなうるさいヤク中が。
「あー、俺あん時はガッツリ陰キャカマしてたわ。」
「へー、お前が陰キャねぇ。想像つかねぇわ。」
「俺、無口になろうかな。そしたら女になれるかもしれねぇ。」
「なれねぇよ。お前に胸あったら、触りどころに困る。」
「おお、初心な竜胆チャンw」
「うっせぇ。」
After、ヤク中
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Hrmna_119 | 作成日時：2022年7月26日 20時
