六一×推測2-3 ページ12
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低彩度の青───────彼は青峰大輝と名乗った。
性格通り片付けは不得手なようで、東屋の中は散らかっていた。
「ちょっとそこで待っとけ。今片す」
「片す、ってさぁ……どう見たって端に寄せてるだけだよね?」
「……うっせ、」
「片付け苦手なんだ」
「あ゛?いいだろ、どーだって」
「そうは言ってもさ、このままのペースじゃ日が暮れるよ」
「うっ……」
どうやら図星を突かれたらしく言葉に詰まる。そりゃそうだ。だって───────1LDKくらいの小屋に隙間なく積まれた衣類の山。部屋に入ってすぐ、桃色少女を横たえたソファの近くは片付けられたものの、それ以外は筆舌に尽くし難い量で。
机上に埃は一つもないのに、床は鮮やかな木目が覆い隠されている。
「着回ししそうなタイプだと思ってたんだけどな」
「あー、まぁ、確かにそうなんだけどな。ここを使えって言った奴が大量に残して行きやがって」
「引っ張り出したはいいけど戻せなくなったと」
「そのとーりでーす」
投げやりな返事に額を抑え、天を仰ぐ。
手っ取り早くするならこうする他ないか。
ぱんっと手を合わせ、声を張り上げる。
「『守護精霊』に希う、『プリゲーデュス』によって物はあるべき場所へ!」
魔法使いが力を発揮するならこんなとこってね!
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