12月2日 午後 ページ5
ピーンポーン!
チャイムの鳴る音。
「はーい」
俺はドアを開けた
「お待たせー!早く行こっ」
先程のラフな格好から一変。
めかしこんだ服にほんの少しだけ施されたメイク。
かわいい、そう思ってしまうほどの。
「お、おう。」
俺はリビングに置いてあったカバンを持ち靴を履いた。
「理央人、お昼ご飯食べた?」
「いや、まだだけど…」
「じゃあちょっとだけ寄り道してこー」
相当楽しみなのか、声から分かるほどテンションが上がっている。
入ったのはファミリーレストラン。
席を案内され向かい同士で座った。
「どーしよっか?」
「俺これにする〜」
「じゃあ私はパスタにしよっと」
注文をし、飲み物を持ってきた。
「理央人ってさー」
「ん?」
真面目くさった顔をしてこちらを見てくる。
「彼女とかいるの?」
顔が引きつったのが自分でも分かるほど動揺した。
「いや、居ないけど…」
「じゃあ、好きな子は?」
「…いない。」
「えー?ほんとに?」
なんなんだ、一体。
「お前は?いんの?」
────いるよ?
俺の中のなにかがとまった。
息が上手く吸えてるかもわからない。
「…誰?」
「お待たせしましたー!」
店員の場違いな明るい声。
注文したものを置いてくとさっと行ってしまった。
その後は何事もなかったかのように店を出た。
俺達はバスに乗り花火会場まで行った。
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