月"は"綺麗ですね。 (ページ4)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:410 hit

12月2日午前ページ4

今日は日曜日だ

暇だな、とか思いつつも何もする気にならない

ベッドの上でゴロゴロ

俺はふと窓の外を見た

向かいにあるAの家

昔は毎週日曜日は2人で過ごしてた

…いつの間にか遊ばなくなっていた

遊ぶと言っても家で遊ぶことはなくなった

俺はスマホを手に取り、LINEを開いた

理央人おーい
Aどうしたの?
理央人いまから遊べる?
Aうん、遊べるけど…
理央人じゃあ、俺ん家で。
Aうん

俺は準備を始めた。

ゴミを片付け、パジャマのままだった服を着替えた

数分後、Aが来た

「おじゃましまーす」

「おう」

飲み物入れてくるから、と言い俺はリビングへ向かった

Aは慣れた足取りで俺の部屋へ入っていった

あいつの好きなココア。

Aはホットよりクールの方が好き

忘れかけてた情報が頭の中に溢れてきた

"幼馴染"ってこんな感じなんだな、とか思ってたりした

俺は紅茶とココアをいれ、自分の部屋へ向かった

「お、ココアだー！」

スマホをいじっていた手を止め

ニコッと笑いながらココアを受け取る

「ん、好きだったよな、ココア」

「うん！」

とりあえず一安心

俺はクッションの上に座った

「しばらく来ない間に変わったねぇ…」

Aは少し寂しそうにそう言った

「そう、か？」

「うん」

気づかない内に俺も変わっていたのだな、と思いつつ紅茶を1口飲んだ

「あ、ねえ」

「ん？」

「これ、行かない？」

それは花火大会だった。

「へー、こんな時期に花火なんてやるんだな」

「ね、私もビックリしちゃった」

なんでも冬の花火は空が澄んでいるため花火が綺麗に見えるとか

「ね、行こ！」

「おう…って、それ今日じゃね？」

「わ、ほんとだー…だめ？」

キラキラとした目が俺をのぞき込む

「いや、行こうぜ」

「やったー！」

嬉しくなるとバンザイをするところも、昔と変わらない

俺はフッと笑いながらAを眺めた

じゃあ支度するからまた後で、とAが家に戻った

俺も支度を始めた

テレビを付けると天気予報をやっていた

――――――今日は午後から雨が降るでしょう

…おれはテレビを消した